「前提」と「制約」の違いとは?分かりやすく解釈

「前提」と「制約」の違い二語の違い

この記事では、「前提」「制約」の違いを分かりやすく説明していきます。

「前提」とは?

「前提」とは、ある物事ができあがった状態になるための、前置きとなる必要な事柄です。

シンプルなカレーのことで考えてみます。

あるカレー専門店では、具材が一つも入っていないカレーを販売していました。

野菜や肉などの具材をたっぷり食べたい人にとっては物足りないかもしれません。

しかし、このシンプルなカレーはこれでよいのです。

このカレー専門店では、何種類ものトッピングを用意しています。

卵、納豆、チーズ、キムチなど、お客さんが好きなものを選んでのせることができます。

いろいろな具材が入っているカレーでは、あるトッピングとの相性が悪くなってしまいます。

しかし、具材の全く入っていないカレーなら、どのようなトッピングをしても相性がよいです。

つまり、このシンプルなカレーは「トッピングすることを前提」にしているのです。

「トッピングする」という事柄が成り立つために、「カレーに具材が入っていない」という事柄が前置きとして必要になります。

こういった、何かを成り立たせるために必要な事柄を「前提」といいます。

「前提」の使い方

何かが成立するために必要となる事柄を指して使用します。

「結婚を前提に」などの使い方をし、この場合は結婚することを条件として、といった意味になります。

「制約」とは?

「制約」とは、条件や枠を設けて、好き勝手に行動をしたり、物事を成り立たせたりすることを妨げることです。

1日の中で、映画を観たい、読書をしたい、温泉に入りたいなど思っても、1日24時間と決まっているので、時間に妨げられて、やりたいことすべては行うことができません。

この場合は時間が「制約」になっています。

ある職業は、40歳以下の人でないと雇わないと決めています。

40歳を超えてしまうと、この職業につくことができないのです。

この場合は年齢が「制約」になって、自由に職業を選択できなくなっています。

「制約」の使い方

枠を設けて、自分の思うままに活動をしたり、物事を成り立たせたりできないようにすることを指して使用します。

「前提」と「制約」の違い

前者の言葉は、何かを成り立たせるための前置きとなる事柄を指しています。

自由な活動などを妨げるものではありません。

後者の言葉は、枠組みなどによって自由な活動などを妨げることを指しています。

「前提」の例文

・『声優になるためには声がよいことが前提です』
・『加熱することを前提にしている』
・『部屋全体の除湿に使用することを前提にした設計』
・『室内飼いを前提にしている』

「制約」の例文

・『さまざまな制約がある』
・『年齢に制約があります』
・『時間に制約がある』
・『制約がある中でも努力している』

まとめ

どちらの言葉も条件という意味が含まれているのですが、一方は物事を成り立たせるために必要なもの、もう一方は自由な活動などを妨げるものを意味しています。