「先決」と「専決」はいずれも「せんけつ」と読む熟語ですが、意味が異なるため区別して覚える必要があります。
この記事では、「先決」と「専決」の違いを分かりやすく説明していきます。
「先決」とは?
「先決」は「まず決定すること」「他に先立って決めること」またはそのような物事を意味する言葉です。
漢字の「先」には「位置が前のほう」「時間が早いほう」「先におこなう」といった意味があり、「決」には「最終的にさだめる」「思い切って」「切れる」などの意味を含んでいます。
「専決」とは?
「専決」は「一人だけの考えで何かを決定すること」「勝手に何かを取り計らうこと」を意味します。
「専」は「もっぱら」「それ一筋」「ひとり占めにする」などを表し、「決」は「最終的にさだめる」「思い切って」といった意を示します。
「先決」と「専決」の違い
「先決」も「専決」も「決める」という意味合いを持つ点は共通していますが、次のような違いがあります。
「先決」は「先に決める」と書くように、「何かをまず決める」「他の物事よりも先に決めること」やその事柄を意味します。
一方、「専決」は「もっぱら」や「ひとり占めにする」などを表す「専」が使われており、「誰か一人のみの考えによって決定すること」「勝手に取り計らうこと」という意味があります。
「先決」の例文
「先決」は「先決すべき」や「〜が先決である」のように使用します。
やや硬い印象があるため、日常会話での出番は少ないといえます。
・『先決すべき問題が後回しにされている』
・『不具合の原因を特定することが先決である』
「専決」の例文
「専決」は「〜を専決する」のように用いられます。
ビジネスなどフォーマルな場面で多く登場する言葉といえるでしょう。
・『その案件については市長が専決することになっている』
・『校長の専決によって、教室にエアコンが設置されることになった』
まとめ
「先決」は「まず決定すること」「他に先立って何かを決定すること」を示し、「専決」は「一人だけの考えで何かを決定すること」「勝手に取り計らうこと」を示します。
「先」と「専」の意味の違いを理解することが両者を使い分けるポイントです。
ぜひ参考にしてください。