「全粒粉」と「強力粉」はいずれも「粉」という漢字が使われた言葉ですが、意味が異なるため区別して認識する必要があります。
この記事では、「全粒粉」と「強力粉」の違いを分かりやすく説明していきます。
「全粒粉」とは?
「全粒粉」は「ぜんりゅうふん」と読む言葉で、「小麦の粒を胚芽や表皮(麩)を除去せずに挽いて粉にしたもの」を意味します。
漢字の「全」は「全て備わっている」「すっかり」を表し、「粒」には「穀物のつぶ」「つぶ状のもの」を表し、「粉」は「細かく砕いたもの」「砕く」などを表します。
「強力粉」とは?
「きょうりきこ」と読む「強力粉」は、「小麦を挽いて粉にした小麦粉の中で、タンパク質やグルテンが最も多く含まれるもの」を意味する言葉です。
「強」には「強い」「固くて丈夫」といった意味があり、「力」には「肉体的または精神的な力」「勢い」などの意味があり、「粉」には「細かく砕いたもの」「砕く」といった意味があります。
「全粒粉」と「強力粉」の違い
「全粒粉」も「強力粉」も「小麦を粉にしたもの」という意味を持つ点は共通していますが、次のような違いがあります。
「全粒粉」は「小麦を丸ごと挽いて粉にしたもの」を意味し、小麦の表皮や胚芽部分を残しているため茶褐色なのが特徴的です。
表皮や胚芽を除去しないことで、胚乳だけを挽いた小麦粉よりもビタミンやミネラル、繊維質が多く含まれているほか、小麦の香ばしい風味やほのかな苦味が感じられる一面があります。
「全粒粉」は「パンやパスタ、シリアルやクラッカー、クッキーやビスケットなどに用いられています。
一方、「強力粉」は「小麦粉の中でタンパク質やグルテンが最も多く含まれるもの」を意味し、水で練ると強い粘り気と弾力が出るのが特徴です。
「強力粉」はパンやピザの皮、中華麺やパスタ、マカロニ、餃子の皮などをはじめ、打ち粉に使われることもあります。
まとめ
「全粒粉」は「胚芽や表皮を除去せずに小麦を丸ごと挽いて粉にしたもの」を示し、「強力粉」は「小麦粉の中でタンパク質やグルテンを最も多く含有しているもの」を示します。
両者の意味や特徴の違いを知って、料理の際などに役立ててください。