「万年筆」と「筆ペン」はいずれも「筆」という漢字が使われた言葉ですが、意味が異なるため区別して理解する必要があります。
この記事では、「万年筆」と「筆ペン」の違いを分かりやすく説明していきます。
「万年筆」とは?
「万年筆」は「まんねんひつ」と読む言葉です。
「ペンの軸の中にインキを入れて、使用する際に自動的にペン先に流れ出る仕組みになっている筆記用具」を意味し、1884年にアメリカのウォーターマンによって実用化されました。
「万年筆」という日本名の由来については諸説ありますが、文学者の内田魯庵が「長く使用できる」という意味合いでネーミングしたのが通説となっています。
「筆ペン」とは?
「ふでぺん」と読む「筆ペン」は、「毛筆のような字を書くペン」を意味し、軸の中にインキを含んだ中綿を装着し、獣毛や合成繊維が使われた穂先にインキが流れる仕組みになっています。
1972年にセーラー万年筆によって実用化された「ふでペン」が始まりとされています。
「万年筆」と「筆ペン」の違い
「万年筆」も「筆ペン」も「筆記用具」である点は共通していますが、次のような違いがあります。
「万年筆」は「ペン軸の内部にインキを入れて、使用する際に自動的にインキがペン先に流れ出る筆記用具」を意味します。
筆圧を強くかけずに文字を書き続けられるという特徴があり、長時間書き物をする際に適しています。
「万年筆」には、ボトルインクからインキを補充する「吸入式タイプ」、使い捨てのインクタンクを取り付ける「カートリッジタイプ」、コンバーター吸入器を設置することで吸入式タイプとカートリッジタイプ両方に切り替えできる「両用式タイプ」といった種類があります。
一方、「筆ペン」は「毛筆で書いたような字を書くペン」を意味し、筆や墨汁、硯といった書道用品を使わずに筆文字が書けるのが特徴です。
手紙や年賀状の宛名書き、結婚式の招待状などビジネスから冠婚葬祭に至る様々なシーンで使用することが可能です。
「筆ペン」には、筆に近い感覚で書ける「毛筆タイプ」、毛筆のような力加減を要しない初心者向けの「硬筆タイプ」、硬筆タイプよりも線に強弱がつけやすい「軟筆タイプ」などの種類があります。
まとめ
「万年筆」は「ペン軸の内部にインキを入れて、使用時にインキが自動でペン先に流れ出る筆記用具」を示し、「筆ペン」は「毛筆のような文字が書けるペン」を示します。
双方の特徴の違いもチェックして、用途に合わせて使い分けましょう。