この記事では、「ハフィング」と「咳嗽」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ハフィング」とは?
ゆっくりと長い気流、もしくは速く短い気流を利用することによって、声門を開いた状態で、呼出を実施する方法を意味する言葉です。
「ハフィング」は、気道分泌物を中枢側へ移動させ、除去を目的としています。
とりわけ、咳嗽が困難な患者に適しており、事前に体位ドレナージやスクイージングで中枢気道に分泌物を移動させた後に実施されることが多いと考えられます。
「咳嗽」とは?
大きく息を吸った後、声帯を閉じて、息を一瞬こらえ、その後圧縮した息を爆発的に呼出すことによって痰を排出する過程を意味する言葉です。
「咳嗽」は、誘発相、吸気相、圧縮相、呼出相に分類され、中枢気道付近まで移動した痰を体外に排出するために用いられます。
また、「咳嗽」は自然な反応であり、多くの場合、患者が自分で行えますが、呼吸機能が低下している場合には、咳嗽介助が必要になることもあります。
「ハフィング」と「咳嗽」の違い
「ハフィング」と「咳嗽」の違いを、分かりやすく解説します。
「ハフィング」と「咳嗽」は、どちらも痰を排出するための呼吸法を意味する言葉ですが、それぞれに違いがあります。
「ハフィング」は、気道内分泌物の移動を目的として、声門を開いたまま、呼出を実施することです。
とりわけ、中枢気道にある痰を出したい場合に有効だと言えます。
深く息を吸い込んだ後、可能な限り早く短く1、2回実施することによって、呼気流速を増やし、痰を気道から押し出せます。
その一方で、「咳嗽」は、痰や異物を気道から排出するための自然な反射作用のことです。
大きく息を吸い込んだ後、声帯を閉じて一瞬息を止め、圧縮した空気を力強く呼び出すことによって、気道内の痰や異物を排出できます。
とりわけ、末梢気道にある痰を中枢気道に移動させた後に行うと効果的です。
まとめ
「ハフィング」と「咳嗽」の違いを理解することは、とりわけ呼吸器系の疾患を持つ患者のケアにおいて重要だと言えます。
適切な呼吸法を指導することによって、患者の快適な呼吸を支援し、痰の管理を改善できるでしょう。
