この記事では、「火鉢」と「囲炉裏」の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「火鉢」とは?
厚みがある陶磁器が主流で、床に置いて使う暖房機の役割があるものを「火鉢」【ひばち】といいます。
この器具は丼のような形になっていて、たっぷり灰入れた上に火を付けた炭をのせるようにして使うものです。
主な用途は上に網をのせて魚や餅を焼いたり、お湯を沸かしてお茶を飲むために使います。
また、江戸時代では冷えた手をかざして暖をとりながら「火鉢」を囲み、会話を楽しむのが庶民の楽しみでもありました。
形は円形が多く見られますが、中には方形もありますし、金属製も揃います。
「囲炉裏」とは?
床を正方形にくり抜いた炉の中に灰を敷き詰めて、薪や炭に火をつけて部屋を暖かくするのが「囲炉裏」【いろり】です。
薪の上に直接鍋を置くのではなく、天井から吊るした自在鉤【じざいかぎ】に取ってを掛けて、下から火を当てながら料理を作ります。
猪や狸、鹿などの肉を煮たり、鶏肉のつみれ団子と野菜をたっぷり入れた鍋が主流です。
元々は縄文時代に料理する場所として設けられた炉を指し、この命を繋げるために料理する所には神が宿ると大事にされていました。
「火鉢」と「囲炉裏」の違い
「火鉢」と「囲炉裏」の違いを、分かりやすく解説します。
円形状で炭をたっぷり入れられる器の「火鉢」はお湯を沸かしたり、餅を焼いて食べるなど色々な用途に使われています。
手や体を暖めるのに使われていますが、「火鉢」の周囲だけ温度が高くなり、部屋全体を暖かくするには向いていません。
もう一方の「囲炉裏」は部屋全体を暖めるだけの威力があり、汁を煮てさらに室内を暖かくするため寒い季節は重宝します。
「囲炉裏」の火種は永久に消えないようにするのも大事なことであり、代々受け継がれてきたものを使うのが一般的ですが、「火鉢」は必要なとき炭に火をつけて調理や暖を取るのに使うものです。
まとめ
炭を使うところは同じですが、「鉢」と「炉」にはまた違う意味が含まれています。
資料や画像を見たり、実際に体験して暖かさを調べてみるといいでしょう。