この記事では、「ニット」と「ウール」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ニット」とは?
「ニット」は、経糸(たていと)と横糸を使わずに1本の糸だけで作った布生地のことです。
英語では“Knit”と表記します。
布生地は大きく分けて「織物」と「編み物」があり、「織物」は経糸と横糸を編んで作った生地を指します。
「編物」は経糸と横糸を使わずループ状にした糸を編み込んで作ったもので、その一種に「ニット」があります。
これは「織物」に比べ生地の伸縮性に優れているという特徴があり、さまざまな服飾品に用いられています。
代表的なものに動物繊維や化学繊維の毛糸を編んで作るセーターがあり、「ニット」といえばセーターがイメージされています。
「ウール」とは?
「ウール」は動物から取った天然毛で作った繊維のうち、羊の毛で作った繊維を指します。
「羊毛」ともいます。
英語では“wool”と表記し、羊の毛、あるいは羊の毛で作った繊維や織物を意味します。
また、広義には羊以外の動物繊維を使った毛糸、「ウール」で作られた織物を指します。
「ウール」は主にメリノ種から刈った毛が使われており、毛が細くて柔らかく染色しやすいことから代表的な動物繊維としてさまざまな服飾品に利用されています。
「ウール」は空気を含みやすい性質があるので他の繊維よりも保温性や通気性に優れており、毛織物は冬物の衣料品、毛布、カーペットなどに使われています。
一方、毛の表面にあるキューティクルは水に濡れると縮む性質があり、「ウール」製のセーターなどは水洗いすると縮みやすいところがネックとなっています。
「ニット」と「ウール」の違い
「ニット」と「ウール」の違いを分かりやすく解説します。
これらはどちらも繊維に関する用語で、それぞれ定義が異なります。
「ニット」は1本の糸を編んで作った布生地、「ウール」は羊毛で作った繊維のことです。
「ニット」は繊維で作った生地、「ウール」は布生地や服飾品の材料になる糸そのものを指すところが異なっています。
「ニット」は「ウール」で作られる場合もありますが、「ウール」以外の綿、化繊などの繊維で作られることもあります。
ただ、羊毛の毛糸で作ったセーターなどの編物は「ニット」「ウール」のどちらの呼び方も使われています。
「ニット」の例文
・『寒いのでニットを重ね着した』
・『ニット素材のスウェットは着心地がよい』
「ウール」の違い
・『ウールは肌触りがよく、天然素材なので環境にもやさしい』
・『このセーターはウール100%なので、洗濯機で洗うと縮む可能性がある』
まとめ
セーターの話題に出てくることの多い「ニット」と「ウール」は、それぞれ異なる意味を持っています。
大きな違いは「ニット」が繊維で編んだ生地、「ウール」は生地の素材になる繊維という点です。