相手との会話で用いられることが多い「あいにく」と「残念ながら」はどのように使い分ければ良いのか。
この記事では、「あいにく」と「残念ながら」の違いを分かりやすく説明していきます。
「あいにく」とは?
「あいにく」は漢字で書くと「生憎」となります。
意味は、期待や目的にそぐわないこと、都合が悪いこと、です。
「あいにく」には、「憎い」という漢字が用いられています。
「憎い」という漢字が用いられているほど、そのことに応じることができなかったことを憎いと思うほど、嘆く様子を表しています。
単に期待通りではない、都合が悪い、というだけではなく、それが、どれだけ憎らしいと思えるほどなのかといった意味がこもった言葉となります。
言い換えれば、「遺憾ながら」や「折り悪く」、「間が悪い」などとなります。
「あいにく」の使い方
ビジネスで「あいにく」を用いることが多く、「あいにく、その日は都合が悪く」などといった形で用います。
相手からの要望に対し、期待に添えることができずに申し訳ないといった気持ちを込めて「あいにく」が用いられています。
「残念ながら」とは?
「残念ながら」は、残念に思う気持ちを伝える意味を持つ言葉です。
今から話内容に対し、相手が期待通りではなかったと反応するだろうと思われるとき、悔しい思いをすることだろう事実を述べるとき、などに「残念ながら」を用います。
無念に思っている、悔しく思っている、といった気持ちを込めて「残念ながら」を用います。
言い換えれば、「無情にも」や「無念にも」、「悲しきかな」などとなります。
「残念ながら」の使い方
「残念ながら」の後には、なぜ、残念なのかといった内容が続きます。
例えば、「残念ながら、雨だ」の場合、雨が降って残念に思う気持ちが込められています。
また、「残念ながら欠席します」といった場合、行きたいとは思っているものの、何らかの理由で行くことができないといった気持ちを込めて用いられています。
「あいにく」と「残念ながら」の違い
応じることができなかったことを憎いと思うほど、嘆く様子を表現する際に用いられる「あいにく」。
相手が期待通りではなかったと反応するだろうと思われることを予想し用いられる「残念ながら」。
この点に両者の違いがあります。
自分自身、嘆くほどのことであるというニュアンスを含む「あいにく」に対し、「残念ながら」は相手のことを思っての言葉といった違いがあります。
「あいにく」の例文
・『あいにく、○○は席を外しております』
・『あいにく、その商品は品切れとなっております』
・『楽しみにしていた遠足でしたが、あいにくの空模様となってしまいました』
・『ずっと欲しかったものを見つけることができたものの、あいにく、その日は持ち合わせがありませんでした』
「残念ながら」の例文
・『残念ながら、予選で敗退してしまいました』
・『残念ながら、今日はお断りさせて頂きます』
・『残念ながら、本日の運動会は中止とさせて頂きます』
・『残念ながら、間に合うことはできなかった』
まとめ
以上のような違いを踏まえ、「あいにく」と「残念ながら」を使い分けることとなります。