この記事では、「やむを得ず」と「やむなく」の違いを分かりやすく説明していきます。
「やむを得ず」とは?
どうしようもなくや、しかたがなくという意味をもつ言葉です。
漢字では「止むを得ず」と表記されます。
「やむ」は「止む」や「已む」のことで、「今まで続いてきたことがそこで終わる」という意味をもち、「得ず」は「得ない」の否定形で、「自分のものにできない」や「可能性がない」という意味をもつと言えます。
つまり、「やむを得ず」とは、「やめられない」や「他に方法がない」ということを表現します。
「やむなく」とは?
「やむを得ず」と同じく、どうしようもなくや、しかたがなく」という意味をもつ言葉です。
漢字では「止む無く」や「已む無く」と表記されます。
「やむ」は「やむを得ず」と同じく、「今まで続いてきたことがそこで終わる」という意味をもち、「なく」は「無く」のことで、「存在しない」や「ないこと」を意味すると言えます。
「やむを得ず」と「やむなく」の違い
「やむを得ず」と「やむなく」の違いを、分かりやすく解説します。
「やむを得ず」と「やむなく」は、どちらも同じような意味をもつ類義語ですが、使い方やニュアンスには少し違いがあります。
「やむを得ず」はビジネスシーンなど、かしこまった場面で使用されることが多い言葉です。
正式な表現として認識されます。
その一方で、「やむなく」は、ややカジュアルな表現をもつ言葉です。
ビジネスシーンではあまり使用されません。
また、「やむを得ず」は、「やむを得ない」という形容詞にもなりますが、「やむなく」は副詞のままだと言えるでしょう。
「やむを得ず」の例文
・『景気が悪いので、やむを得ず、人員整理することになった』
・『新型コロナウイルスの感染拡大のため、やむを得ず、旅行を中止することにした』
「やむなく」の例文
・『健康を維持するため、やむなくお酒をやめた』
・『騒音トラブルが発生したので、やむなく引っ越すことにした』
まとめ
「やむを得ず」と「やむなく」はどちらも「しかたがなく」や「どうしようもなく」という意味をもつ言葉ですが、使い方やニュアンスに違いがあります。
「やむを得ず」は、やりたくないことや不本意なことをする場合に使用する言葉です。
その一方で、「やむなく」は、他に選択肢がなく、しょうがなくやることを表現する言葉です。
それぞれの言葉を正しく使い分けられるように注意しましょう。