「不利」と「有利」はいずれも「利」という漢字が使われた熟語ですが、意味が全く異なるため使い分けが必要です。
この記事では、「不利」と「有利」の違いを分かりやすく説明していきます。
「不利」とは?
「不利」は「ふり」と読む言葉で、「利益がないこと」または「状況や条件などが良くないこと」を意味します。
漢字の「不」は「〜でない」「〜しない」のように「否定を示す語」であるほか、「悪い」という意味も含んでいます。
「利」は「かしこい」「好都合」「得」「もうけ」といった意を示します。
「有利」とは?
「ゆうり」と読む「有利」は、「利益があること」もしくは「利益が期待できること」「状況や条件などが良いこと」を意味する言葉です。
「有」には「存在する」「持っている」「さらに」といった意味があり、「利」には「かしこい」「得」「もうけ」「好都合」などの意味が含まれています。
「不利」と「有利」の違い
「不利」も「有利」も「利益」に関する意味合いを持つ点は共通していますが、次のような違いがあります。
「不利」は「利でない」と記すように、「利益がないこと」や「条件や状況などが悪いこと」を意味する言葉です。
一方、「有利」は「利がある」と書くように、「利益がある、または期待できる」「条件や状況などが良いこと」を意味します。
なお、両者が相反する意味を持つことから、「不利」は「有利」の対義語、「有利」は「不利」の対義語になります。
「不利」の例文
「不利」は「不利な〜」や「不利になる」のように使われます。
ビジネスをはじめ比較的様々なシーンで用いられている言葉といえます。
・『それは弊社にとって不利な取引になる』
・『彼に体力がないことはスポーツを志す上で不利になるだろう』
「有利」の例文
「有利」は「有利な〜」や「有利に〜する」などのように用います。
こちらも幅広い分野や場面で目にする表現です。
・『今の勤務先は私にとって有利な条件が揃っていた』
・『彼女は交渉を有利に進めるのが上手い』
まとめ
「不利」は「利益がないこと」「状況や条件などが良くないこと」を示し、「有利」は「利益があること」「利益が期待できること」「状況や条件などが良いこと」を示します。
双方の言葉が相反する意味を持つことを覚えておきましょう。
ぜひ熟語の違いを知る参考にしてください。