この記事では、「摩擦電気」と「静電気」の違いを分かりやすく説明していきます。
「摩擦電気」とは?
「摩擦電気」とは物質がこすれ合うことによってその間を電子が移動する現象です。
電気を帯びている物質同士をこすれ合わせると、物質が帯びている電気が一方へと移動しますが、その現象を摩擦によって電気が移動することから摩擦電気や摩擦帯電と呼びます。
冬に毛糸のセーターを着たり脱いだりするときにバチっと電気が走るのは、この現象によって痛みを感じる程度の電流が発生するからです。
「静電気」とは?
「静電気」とは物体に蓄えられて電荷が静止している状態やそれによる現象です。
電気は物質から物質の間を通って電流になりますが、電気を通しにくい絶縁体に電気が移動するとそこから移動できずに電気が静止します。
この静止した電気を指したり、その電気が起こす現象が静電気です。
例えば下敷きで頭を擦って離すと髪が逆立つというのは、両者に蓄えられていた静電気が電荷による反発あるいは吸引を引き起こして発生します。
「摩擦電気」と「静電気」の違い
「摩擦電気」と「静電気」の違いを、分かりやすく解説します。
物体がこすれ合うことで物体に蓄えられていた電荷が片方に移動する現象が「摩擦電気」で、物体に蓄えられて静止した電荷やそれによって起きる現象が「静電気」です。
「摩擦電気」は「静電気」によって起きる現象の一つになります。
物体に蓄えられている「静電気」が物体の接触によって移動する現象が「摩擦電気」なので、それぞれの物体に「静電気」が全く蓄えられていないならこすれ合っても「摩擦電気」は発生しません。
まとめ
物体がこすれ合うことでそれぞれに蓄えられた電気が移動する現象が「摩擦電気」で、物体に留まり蓄えられた電気が「静電気」です。
蓄えられた電気による現象を指す意味での「静電気」というカテゴリーの中に「摩擦電気」が含まれるという関係になります。