「報酬」と「謝礼」は同じような意味で使われることもありますが本来の意味は全く異なります。
2つの言葉はどう違うのでしょうか。
この記事では、「報酬」と「謝礼」の違いを分かりやすく説明していきます。
「報酬」とは?
「報酬」とは、「労働や物品の使用に対して対価として支払われる価値」を意味する言葉です。
労働や物品の使用は新しい価値を生み出します。
そのような価値を生む行為に対して対価として支払われる価値のことを「報酬」といいます。
同じように働いて返したり物品をやり取りしたりすることもありますが、基本的に「報酬」は金銭で支払われることがほとんどです。
労働者が仕事の対価として受け取る給料や芸事の見返りとして受け取るギャランティーなどが「報酬」に当たります。
「謝礼」とは?
「謝礼」とは、「感謝の心を形にしたもの」を指す言葉です。
相手の行為や働きに対して抱くありがたい嬉しさのことを「感謝」といいます。
心の中に生まれた感謝の気持ちを形にして示したものを「謝礼」といいます。
お礼の言葉や感謝の手紙なども「謝礼」の一種ですが、一般的には「感謝の気持ちを込めて支払われる金銭」を表す意味で使われている言葉です。
わざわざ働いてくれたことや来てくれたことに対して感謝の気持ちと共に渡すお金のことを「謝礼」といい、労働契約的なニュアンスを伴わない対価のやり取りで用いられる表現です。
「報酬」と「謝礼」の違い
「報酬」と「謝礼」の違いを、分かりやすく解説します。
「報酬」と「謝礼」の違いは「性質」です。
労働や物品利用の対価として明確に決められた対価の支払いを「報酬」というのに対し「謝礼」は手間をかけさせた感謝や骨を折ってくれたお礼など明確ではない形のお金に対して用いられる表現です。
「報酬」は経済的なやり取りを重視し「謝礼」は気持ちのやり取りに重きを置く、という違いでも区別できます。
「報酬」の例文
・『今月の報酬を受け取る』
・『高い報酬で引き抜かれる』
「謝礼」の例文
・『少ないが謝礼として受け取ってもらった』
・『知り合いなので謝礼は不要だ』
まとめ
「報酬」と「謝礼」は似ている部分もあるものの性質の違いで区別されています。
同じような意味合いで使われることが多いからこそ違いを正しく理解しておきましょう。