この記事では、「加重」と「荷重」の違いを分かりやすく説明していきます。
「加重」とは?
「加重」には3つの意味があります。
1つめは、さらに重さや負担を加えること、さらに重さや負担が加わることです。
「加」には、くわえる、増やす、「重」には、おもさ、かさなるという意味があります。
加えるとは、今あるものにさらに足すことを意味します。
つまり、「加重」とは、今ある重さや負担にさらに重さや負担を加えること、また加わることという意味になるのです。
2つめは、刺激を与え続けると、神経や筋肉に与える働きかけが、1回ずつの場合よりも大きく表れる現象のことです。
筋肉の収縮で考えてみます。
1つの刺激を与えると筋肉が収縮し、やがて弛緩をします。
1つの刺激を与えて筋肉が収縮したのち、まだ収縮が終わらないうちに次に刺激を与え、さらに刺激を与えることを繰り返すと、十分に弛緩がされず、収縮の力が大きくなっていきます。
このような現象を意味する言葉です。
3つめは、刑法で法律の範囲内で刑を重くすることです。
「加重」の使い方
3つの意味がありますが、日常的にはさらに重さや負担を加えること、さらに重さや負担が加わることという意味で使用されています。
ニュースでは刑を重くする意味で使用されることがあります。
「荷重」とは?
「荷重」には2つの意味があります。
ひとつは、貨物自動車の荷物の重さです。
貨物自動車とは、荷物をのせて運ぶ自動車のことで、トラックとも呼ばれます。
運転席と荷物をのせる部分はわかれています。
荷物をのせる部分に積める重さには制限があります。
この制限範囲内であれば、荷物をのせて運ぶことが可能です。
のせられる荷物の重さは自動車の大きさによって異なり、6. 5トン以上のせられるものもあります。
2つめの意味は、物質の全体あるいは部分に加わる力のことです。
また、物質が耐えることができる重さです。
自動車のタイヤには自動車本体の重さが加わります。
タイヤは硬くてどんなに重いものをのせても耐えられそうですが、そうではなく、耐えられる重さの限界があります。
タイヤで支えられる最大負荷能力を示す値を「荷重指数」といいます。
「荷重」の使い方
貨物自動車の荷物の重さという意味で使うことが多いです。
「加重」と「荷重」の違い
どちらの言葉も「かじゅう」と読みは同じですが、意味は異なります。
前者はさらに重さや負担を加えること、また加わることです。
後者は貨物自動車の荷物の重さです。
「加重」の例文
・『刑が加重される』
・『加重平均して計算する』
・『税が加重される』
・『体重を利用して加重する』
「荷重」の例文
・『荷重に耐えられない』
・『荷重を計算する』
・『耐荷重性に優れている』
・『2トンの荷重』
まとめ
2つの言葉は「かじゅう」と読みは同じで、「重」という漢字を使用している点でも似ていますが、意味は異なります。