「遠い」と「遠く」の違いとは?分かりやすく解釈

「遠い」と「遠く」の違いとは?言葉・カタカナ語・言語

この記事では、「遠い」「遠く」の違いを分かりやすく説明していきます。

「遠い」とは?

「遠い」とは?

「遠い(とおい)」とは、「二つの地点が物理的・距離的に離れていること」「二つの時点が時間的に離れていること」を意味している形容詞です。

「遠い」には、「二人の気持ちが離れているさま・ある人と他の人の心理的な距離が離れていること」といった意味合いもあります。

「遠い」の意味として、「血縁関係が薄い・関係が薄くて親しくない・似ていなくて隔たっているさま・音声がはっきり聞こえない」なども挙げられます。

「遠く」とは?

「遠く」とは?

「遠く(とおく)」とは、「遠い」という形容詞の連用形あるいはその連用形が名詞化したものです。

形容詞・形容動詞などの他の品詞が転化して名詞になったものを「転成名詞」と呼んでいます。

「遠く」を名詞として認識する場合には、「遠いの形容詞の転成名詞」として解釈することができます。

「遠く」「物理的・空間的(距離的)に遠く離れているさま」の意味を中心に、「遠い」に準じる意味を持っています。

「遠く」「遠くの地方」のように修飾語的な用法で使ったり、「遠く離れた故郷」のように副詞的に使用したりすることができます。

「遠い」と「遠く」の違い

「遠い」と「遠く」の違い

「遠い」「遠く」の違いを、分かりやすく解説します。

「遠い」は形容詞ですが、「遠く」「遠いの形容詞の連用形・遠いが転化した転成名詞」であるという違いがあります。

「遠い」の形容詞は「遠い地域に出かけました」のように名詞を直接的に修飾できますが、「遠く」の名詞は「遠く地域に出かけました」のような使い方はできない点も違っています。

この場合は、「遠くの地域」のように助詞の「の」を挟まなければなりません。

また「遠く」「遠く離れた~」というかたちで副詞的な用法を慣習的に使っていますが、これを「遠い離れた~」と言い換えることはできません。

「遠い」の例文

「遠い」の例文

・『旅客機が発明されて普及するまでは、船で遠い国にまで行くことは多くの人にとって現実的な旅行の選択肢ではありませんでした。』

・『彼女と遠距離恋愛になってから電話でしか話すことができなくなり、彼女の気持ちを遠くに感じることが増えました。』

「遠く」の例文

「遠く」の例文

・『この手作りのレザーバッグはその個人商店でしか売っていないので、どんなに遠く離れていてもそのお店にまで買いに行くつもりです。』

・『常識で考えれば地理的に遠くにある国家よりも近くの国家と親しくしたほうが安全保障は維持しやすいのですが、現実の国際政治では隣国と仲が悪いことが多いのです。』

まとめ

まとめ

この記事では、「遠い」「遠く」の違いを分かりやすく説明しましたがいかがでしたか?

「遠い」というのは、「空間的・時間的に離れているさま、時間の隔たりが大きいこと」などを意味している形容詞です。

「遠く」は、「遠いの連用形」あるいは「遠いが名詞化した転成名詞(副詞としても使用することができる名詞)」であるという違いがあります。

「遠い」「遠く」の違いについて詳しく知りたい人は、この記事の解説をチェックしてみてください。