この記事では、「過程」と「課程」の違いを分かりやすく説明していきます。
「課程」も「過程」も、ともに(かてい)と読む同音異義語です。
間違いやすいので、それぞれの類義語も含めて知っていきましょう。
「過程」とは?
「過程」とは(かてい)と読み、物事が変化し進行して、ある結果に達するまでの道筋。
プロセスを言います。
過程と似た言葉に「経緯」(けいい)、「顛末」(てんまつ)「経過」(けいか)があります。
「経緯」は物事の筋道。
いきさつを意味します。
・「経緯」の例文
「大きなミスがあったため、上司に事の経緯を説明した」
「顛末」は事の最初から最後までの事情。
一部始終を意味します。
・「顛末」の例文
「事の顛末を聞いてください」
「経過」はある時間内の物事の進行・変化のぐあいを意味します。
・「経過」の例文
「治療は、経過を見ながら行う」
「経緯」は、段階を示すのではなく、その物事が結果に至った理由や原因を含む言い方です。
「いきさつ」とも表現しますが、口語的です。
文章では「経緯」がよく使われます。
「顛末」は物事が始まってから終了するまでの全ての状態を対象とする時のみ使用します。
「経緯」と「顛末」に対して、「過程」は、ある一連の物事が進んでいく途中のそれぞれの「段階」を示すので、結果や、物事の終了の有無は関係がないことが特徴です。
「経過」は、時間の進行によって物事が移り変「様子」にスポットが当たっている点が 「段階」を表す「過程」と異なります。
「過程」の使い方
「生物が発生する過程を説明する」
「娘の成長の過程です」
「結果も大事だが、過程も大切である」
「課程」とは?
「課程」は(かてい)と読み 学校などで、一定期間に割り当ててさせる学習や作業の範囲を意味します。
「課程」と似た言葉に、「学課」(がっか)があります。
学業の課程やまた、授業を意味します。
・「学課」の例文
「楽しかった学課を修了した」
「学課」が「学習段階」に応じて割り当てた学習内容という意味に対し、「課程」は「ある期間」に割り当てた学習や作業の範囲を意味します。
「課程」の使い方
「地元の大学の修士課程を修了しました」
「通信教育課程では、課題がたくさん出て毎日忙しい」
「過程」と「課程」の違い
「過程」は、結果に達成するまでの道筋。
「課程」は、学校や教育において学ぶ内容や範囲や順序という意味の違いがあります。
「課程」も「過程」も、ともに(かてい)と読む同音異義語です。
課程は教育に関わる時にしか使用しません。
一方「過程」は、普段生活している中でよく使用される言葉です。
まとめ
「過程」と「課程」の違いを説明しました。
「過程」:結果に達成するまでの道筋
「課程」:学校や教育において学ぶ内容や範囲や順序
を意味します。
「課程」は教育関連にしか使用しない特徴があります。
同じ読み方で、文章で表現する時に迷いやすい言葉です。
「課程」の「課」には、「割り当てられた仕事や勉強」という意味があるので、漢字の意味を覚えておくと、スムーズに使い分けができます。
2つの意味の違いを知って、日常生活に役立てましょう。