「家人」と「御家人」の違いとは?分かりやすく解釈

「家人」と「御家人」の違い言葉・カタカナ語・言語

いい国作ろう鎌倉幕府という語呂あわせで覚えたように、以前は源頼朝が鎌倉幕府を成立させたのは1192年だと学校で教えていました。

しかし、歴史の研究が進んでゆくにつれて、年代を特定できるほどの証拠はないことがわかってきました。

そのような状況を反映させて、現在では既に1192年を起源とする記述は教科書からなくなり、段階的に成立したとされています。

この鎌倉幕府で特徴的なのは御家人と呼ばれる主従関係でしょう。

それではこの「御家人」とはどういう意味でしょうか。

また、「家人」との違いはどこにあるのでしょうか。

この記事では、「家人」「御家人」の違いを分かりやすく説明していきます。

「家人」とは?

「家人」とは?

「家人」とは、「かじん」と読んだ場合には、一般的な意味での「家にいる人」ということを表します。

すなわち、「自分の家族や親戚や、場合によっては住み込みで働いている人も家人の一人です。

それに対して「家人」「けにん」と読む場合は、封建時代において、「貴族や豪族などに仕える下働きの人」を意味する言葉になります。

「御家人」とは?

「御家人」とは?

「御家人」とは、鎌倉時代において鎌倉殿と呼ばれる「幕府の主権者の家と主従関係を結んだ家来」のことを表す言葉です。

「御家人」制度は鎌倉幕府の根幹となるもので、主従関係の基本は「御恩と奉公」という考え方で成り立っていました。

これは、「御恩」として給料や土地の所有権をもらう代わりに、「奉公」として有事の際には戦に参加するというものでした。

しかし、この関係は「元寇」をきっかけに壊れて行くことになりました。

「家人」と「御家人」の違い

「家人」と「御家人」の違い

「家人」「御家人の違いを、分かりやすく解説します。

この2つの言葉は、日本の中世において貴族や豪族に仕える人たちのことを表す言葉であるというのは同じですが、大きな違いがあります。

それは、「御家人」「鎌倉幕府と主従関係にある家人」であるという定義で明らかにすることができます。

すなわち、「家人」の中でも特別なものが「御家人」と言っても良いでしょう。

「家人」の例文

「家人」の例文

「家人」の例文は以下のようになります。

・『今うちにいるのは私だけで家人は誰もいません』
・『家人は身分制度の中で生まれてきた言葉です』

「御家人」の例文

「御家人」の例文

「御家人」の例文は以下のようになります。

・『初期の鎌倉殿と御家人との関係は強固なものでした』
・『元寇をきっかけに鎌倉幕府と御家人の関係が悪化して、それが幕府滅亡を招いたと言われています』

まとめ

まとめ

この記事では、「家人」「御家人」の違いを、解説してきました。

序文では鎌倉幕府の成立の年に関する解釈が変わったということに関して説明しましたが、実はこのように歴史の見方が変わることはよくあります。

これは歴史研究が学問として成立していることに関わりがあるのですが、鎌倉幕府の件以外の事例としては、以下のようなものがあります。

日本で初めて作られた貨幣は和同開珎だと言われていましたが、より古い富本銭が発見されました。

また、身分制度の「士農工商」に関しては武士以外ほぼ上下関係がなかったことがわかっています。

さらに、「徒然草」の作者は吉田兼好ではないこともわかっています。