同じ読み方をする「煩雑」と「繁雑」。
この記事では、「煩雑」と「繁雑」の違いを分かりやすく説明していきます。
「煩雑」とは?
「煩雑」には、込み入ってわずらわしいこと、といった意味があります。
物事が複雑でスッキリしないことを意味します。
「煩雑」の「煩」には、わずらわしい、うるさい、といった意味があります。
また、「雑」には、入り乱れる、まとまりがない、といった意味があり、わずらわしいと思うほど、入り乱れている、まとまっていない、といった状態を表します。
「煩雑」は、「複雑」、「ごたごた」、「ややこしい」、「込み入った」などと言い換えることができます。
「煩雑」の使い方
「煩雑」の場合、「煩雑な仕事」や「煩雑な事務処理」のほか、「煩雑を極める」や「煩雑になる」などといった形で用いられます。
「繁雑」とは?
「繁雑」には、行わなければならないことが多すぎて、ごたごたしている、といった意味があります。
とにかく、やらなければならないことが多すぎて大変だということを意味する言葉です。
「繁雑」の「繁」には、回数が多い、盛んになる、増える、といった意味に加え、わずらわしい、いそがしい、といった意味もあります。
この漢字からも、「?雑」がどのような状態を意味しているのかがわかります。
「繁雑」は、「複雑」、「ごたごた」、「ややこしい」、「込み入った」などと言い換えることができます。
「繁雑」の使い方
「繁雑」の場合、「繁雑な問題」や「繁雑多忙」、「繁雑な構造」のほか、「繁雑さに耐えきれない」などといった形で用いられます。
「煩雑」と「繁雑」の違い
「煩雑」と「繁雑」は同じ「繁雑」と読みますが、それらの言葉が表している状況に大きな違いがあります。
「煩雑」は、込み入っていてわずらわしいことを意味し、「繁雑」は、行わなければならないことが多すぎて、ごたごたしているといった意味となります。
このように、物事が込み入っているのか。
それとも多すぎるのか。
といった違いが両者にはあります。
「煩雑」の例文
・『引っ越しは、煩雑な手続きが多く非常に面倒です』
・『父が亡くなり初めて知ったのですが、相続手続きは本当に煩雑ですね』
・『新しいソフトを取り入れることで、煩雑な事務作業から解放されました』
・『日々の繁雑な業務に嫌気がさしています』
「繁雑」の例文
・『繁雑な仕事をこなすため、夫は連日残業を強いられています』
・『繁雑な日々で、落ち着いて食事を摂ることもできない』
・『ここでは、繁雑な時期になるとバスの運行本数が増えます』
・『繁雑多忙な時期が過ぎ、少し落ち着きを取り戻しています』
まとめ
同じ読み方をする「煩雑」と「?雑」の場合、物事がどのような状況にあるのかといったことを踏まえ使い分ける必要があります。
その状況が込み入ってわずらわしいのか。
それとも、行わなければならないことが多すぎてごたごたしているのか。
その違いを見極めることが大切です。