相手に対し行う行為となる「侮辱」と「罵倒」には、どのような意味の違いがあるのか。
この記事では、「侮辱」と「罵倒」の違いを分かりやすく説明していきます。
「侮辱」とは?
相手を軽んじ、はずかしめる行為を「侮辱」と言います。
「侮辱」には、相手を見下し、名誉を傷つけるといった意味も含まれます。
相手のことを自分よりも下とみなし、相手のことを馬鹿にしたり、ひどい扱いをしたり、嫌な思いをさせたり、傷つけたりする行為全般を指す言葉です。
そのため、決して許されるような行為ではありません。
言い換えれば、「侮辱」は、「無礼な言葉」や「憎まれ口」、「恥辱」、「辱め」、「軽蔑」、「軽視」などと同じ意味となり、対義語は、相手の人格を認め敬うといった意味の「尊敬」です。
「侮辱」の使い方
「侮辱」は、「侮辱する」や「侮辱を受ける」といった使い方だけではなく「侮辱罪」や「侮辱的」、「侮辱発言」といった言葉もあります。
「罵倒」とは?
激しい言葉で相手をののしることを「罵倒」と言います。
「罵倒」の場合、言葉に出して初めて「罵倒」ということができ、心の中でののしっていても、それは「罵倒」ではありません。
また、「罵倒」の場合、相手がそれによって、傷つくことも不快に思うことも分かったうえで行うものとなります。
言い換えれば、「罵倒」は、「罵る」、「誹謗」、「罵詈雑言」、「無礼な言葉」などと同じです。
「罵倒」の使い方
「罵倒」は、「罵倒する」や「罵倒される」といった使い方となります。
「侮辱」と「罵倒」の違い
「侮辱」は、相手を軽んじ、はずかしめる行為を意味し、言葉だけではなく、様々な行動で相手を「侮辱」するものとなります。
それに対し、「罵倒」は激しい言葉で相手をののしる行為であり、基本、言葉のみで行うものとなります。
また、「侮辱」に含まれるような相手を下に見るといった意味は「罵倒」には含まれません。
そのほか、「罵倒」は激しい言葉ということもあり、怒鳴るといった行為に近いものとなりますが、「侮辱」の場合、静かに淡々と言われることもあります。
「侮辱」の例文
・『今の侮辱的な発言は聞き逃すことはできません。謝ってください』
・『友達から弟のことを侮辱され我慢できず、喧嘩になってしまいました』
・『SNSなどで横行している誹謗中傷は、侮辱罪として罰せられるべきです』
・『私のことはどれだけ侮辱されても構わないが、家族が侮辱されることだけは許されない』
「罵倒」の例文
・『毎日のように部長に罵倒される日々が続き、気がおかしくなりそうです』
・『道端で、急に知らないおじさんに罵倒され怖くなりました』
・『これぐらいの罵倒で、まさか、仕事を辞めてしまうとは思わなかった』
・『社長の罵倒も、そう毎日続いたら、こちらも聞き逃すことができるようになるものです』
まとめ
このように、「侮辱」と「罵倒」の意味は異なります。
そのため、その行為に対し、ド力が正しい言葉なのか考えたうえで使用する必要があります。