この「リストラ」と「解雇」は、結果的に同じことになるかも知れませんが、ニュアンスに多少の違いがあります。
「リストラ」の意味や使い方
「リストラ」は、言ってしまえば体のいい「解雇」に相当すると考えていいでしょう。
本来は英語の“restructuring”(リストラクチャリング)からきている為、「再構築」となり、「解雇」という意味は全く含んでいませんが、会社として社員を減らすことで経営の再構築になるといった無理矢理の解釈によって、すっかりその為の「解雇」という使い方になっている言葉です。
その為、「リストラされた」と使うと、「解雇された」と同等の意味になります。
そのまま「解雇」としても結局は一緒のことがほとんどですが、響きがそれほど悪くない為に、「解雇」とするべきところを先のように、体よくこの言葉で誤魔化していると考えることができます。
正しく使うのであれば、会社の都合により人員整理の場合のみに用いるべきですが、実際にはそれだけでもない(他の理由の場合も含めて使っている)のが実情です。
「解雇」の意味や使い方
「解雇」とは、雇い止めにすることです。
「態度が悪いとクレームが多いので、解雇することにした」のように使われる言葉で、俗に言ってしまえば「クビ」になります。
先の「リストラ」も、結局はこのことなので、同義語だと表現していいかも知れません。
ただ、「解雇された」と「リストラされた」では多少ながらニュアンスが異なり、前者は単にクビになったと言っているだけですが、後者の方には先のように、会社の事情で仕方なくという含みがあります。
ただし、本当にそうだとは限らず、ただの解雇をそのように表現しているだけかも知れないのは前述した通りです。
「リストラ」と「解雇」の違い
どちらも対象になる人を「クビ」にすることには変わりませんが、「リストラ」の方が少々柔らかい表現になることと、会社の都合で仕方なくという含みが入る点が(実情は違っても、言葉としては)違いだと考えていいでしょう。
「近々リストラがあるらしいよ」などと社内で噂があると、一般的には経営があまり芳しくなく、人員整理を行う予定がありそうだと解釈することができます。
「リストラ」を使った例文と意味を解釈
「リストラ」を使った例文と、その意味の解釈になります。
会社員にとっては最も聞きたくない言葉かも知れません。
「リストラされたらしく、次の職を探しているようだ」
特に期限なく雇用した「正社員」の場合、解雇する時には少なくとも一ヶ月前には本人に告知しなければいけません。
その一ヶ月間で簡単に次の仕事が見付かるとは限りませんが、そうだと決まってしまった以上、次に向かって早めに動く方が賢明です。
「解雇」を使った例文と意味を解釈
こちらは「解雇」を使った例文と、その意味の解釈になります。
直接的な表現なので、使う方も躊躇われてしまうことがあります。
「何度かの警告の後、改善が見られなかったので解雇になったと聞いた」
このように、人のことについてだと、それほど意識せずに使えるかも知れません。
直接その対象に向かって解雇だとはあまり言えないものなので、先の「リストラ」などと表現してお茶を濁すことがあります。
まとめ
「リストラ」は、会社の都合による人員整理に使われる言葉だと考えることができますが、実際にはそれ以外の場合にも「解雇」の言い換えとして使われています。
その為、実質的には「解雇」の言い回しを変えただけという場合も多いと覚えておいてください。