「既設」と「既存」の違いとは?分かりやすく解釈

「既設」と「既存」の違い言葉・カタカナ語・言語

「もうある」ことを意味する言葉として「既設」「既存」があります。

どちらも日常生活で使う言葉ですがどのような意味の違いがあるのでしょうか。

今回は、「既設」「既存」の違いについて解説します。

「既設」とは?

「既設」とは?

「既設」とは、「すでに出来上がっていて用意されていること」を意味する言葉です。

「既設」「設」には「しつらえる」という意味があります。

しつらえるとは「目的のために用意したり準備したりすること」を意味する言葉です。

「既設」「既」「すでに」を意味し「今よりも前の時点で作業を開始現在の時点では完了している状態」を表します。

「既設」の意味はふたつの言葉を合わせた「前もって始めた準備により現在の時点では既に用意が終わっている状態」となります。

一般的に「既設」という表現は「設置」「設営」「建設」など「人の手により作られたりその置かれたりするもの」に対して用いられます。

準備するのにある程度の時間と労力がかかるものに対して使われることが多く大きな建物や一人では持ち運べないような大きな物体など完成させるのに苦労するものに対して使われる言葉です。

物体以外にも組織や機関など人の手によって作り上げられるものに対しては「既設」という表現を使います。

「既設」の使い方

・『本部庁舎は新設せず既設の建物を利用することになった』
・『新たな業務には既設の設備で十分に対応できる』
・『既設の建物は老朽化が目立つので新築を検討している』
・『既設の部署では対応できないので新たに部署を立ち上げる』

「既存」とは?

「既存」とは?

「既存」とは、「すでに存在していること」を意味する言葉です。

「既存」は使う対象が幅広い言葉で物品以外にも形のない抽象的な概念や仕組みなどにも使われます。

「既存」が意味するのは「過去に作られたり誕生したりして現在の時点ではすでに存在していること」です。

一般的にはただ存在しているだけではなく多くの人に知られていたり使われていたりするものに対して「既存」という表現が用いられます。

昨日完成したばかりでまだ誰も使っていない物品に対して「既存」という表現を使うことはまずありません。

具体的な有無ではなく「存在を広く認知されている」対象に用いる表現です。

「既存」の使い方

・『統計調査に既存のシステムを流用する』
・『既存の制度だけでは苦しんでいる人を救いきれない』
・『既存の商品だけでは競争に負けてしまうので新商品の開発に力を入れている』
・『サービスそのものは既存だが自宅に届けるという方法で差別化している』

「既設」と「既存」の違い

「既設」と「既存」の違い

「既設」が人の手で作業されたものに対して用いられるのに対し「既存」は存在を認知されているものに対して使われるという違いがあります。

作ったり置いたりなど人間が実際にやる作業が終わリ出来上がっているのが「既設」、物体以外にも存在を認知されている考えや概念に対しても使われるのが「既存」という違いで区別されます。

まとめ

まとめ

「既設」「既存」はとてもよく似た意味の言葉ですが使える対象に違いがあります。

どんなものに対して使うのかに注意してふさわしい表現を使い分けてください。