この記事では、「ハロウィン」と「お盆」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ハロウィン」とは?
「ハロウィン」とは古代アイルランド発祥でキリスト教圏や日本にも伝わった行事です。
「ハロウィン」の期間には死者の霊が妖精や悪魔の姿で現世に戻って来ると言われその被害に合わないようにお菓子などで機嫌を損ねないようにもてなしたり、もてなしを拒否することでイタズラの攻防を楽しむというお祭りになっています。
また現世に戻ってきた死者の霊は子供を攫っていくとも言われているので、怪物の姿に扮することで死霊の目を欺き連れ去られないようにするというのが、「ハロウィン」で仮装する本来の理由です。
主にキリスト教圏で広がりを見せていますが、キリスト教としては異教の祭りと認定しており、古代アイルランドでケルト人が行っていた、本来の宗教的儀式としての意味はなくなっています。
「お盆」とは?
「お盆」は日本に仏教が根付いた中で、日本における祖霊信仰文化と混合されて生まれた行事です。
先祖の霊はお盆になると子孫と交流するために現世へと戻って来て、「お盆」が終わると彼岸へと帰っていくので、その間に交流を行い、祖先の霊を供養するという行事になります。
きゅうりやナスのような夏野菜に箸を4本突き刺す精霊馬は、祖先の霊が現世と彼岸を行き来するために乗る馬や牛といった交通手段として用意するものです。
戻ってきた先祖の霊は悪事を働くわけでもなく、ただ子孫と交流しもてなしを受けたり、現世に戻ったことを喜んで踊ったりします。
その喜びの踊りを模したり、一緒に踊ることが由来で生まれたのが盆踊りです。
「ハロウィン」と「お盆」の違い
「ハロウィン」と「お盆」の違いを、分かりやすく解説します。
古代アイルランド発祥で死者の霊が戻ってくる行事が「ハロウィン」で、日本発祥で先祖の霊が戻ってくる行事が「お盆」です。
「ハロウィン」では戻ってきた死者の霊が機嫌を損ねて悪事を働かないようにもてなしますが、「お盆」では先祖の霊と交流するためにもてなします。
また「ハロウィン」で戻ってくる霊は基本的に悪事を働くものですが、「お盆」で戻ってくる霊は悪事を働きません。
また「ハロウィン」では子供を攫われないように子供が怪物を模した姿をすることが風習の一つですが、「お盆」では責め苦から逃れた亡者が喜び踊る様子を模した盆踊りを踊ることが風習になっています。
他の違いとしては「ハロウィン」は現在となってはケルト人の宗教としての意味はなくなっていますが、「お盆」は日本の祖霊信仰という宗教的な意味が今も残っている行事です。
まとめ
どちらも死者の霊魂が戻ってくるという点では同じですが、悪いことをするからなだめるためにもてなすのか、交流のために戻ってきた霊を歓迎するためにもてなすのかで、もてなしの目的は全く別物です。
ただし今は「ハロウィン」は宗教色がほとんどなくなり楽しめるお祭り扱いですが、「お盆」は宗教色が残り盆祭以外は楽しいものではないとみなされていることが多いので、日本でも「ハロウィン」の方が盛況するようになっています。