組織に所属して働いている人をあらわす言葉として「社員」と「職員」があります。
このふたつはどのような違いで使い分けられているのでしょうか。
今回は、「社員」と「職員」の違いについて解説します。
「社員」とは?
「社員」とは、「会社に所属して働く人」を意味する言葉です。
「社員」という言葉は本来「会社に出資している人」を意味する言葉であり「会社の構成員」を指す言葉です。
会社が成り立っているのはその人達がいるから、というのが「社員」の意味合いであり株式会社であれば株主にあたる会社に出資している出資者を意味します。
本来「会社の出資者」を意味する「社員」ですが現在では「会社に所属して働いている人」という意味で使われるのが一般的です。
もともとの意味に含まれていた「会社の構成員」という要素が強調され「会社を構成して働く人」に意味合いが変化し現在に至ります。
「社員」という言葉に含まれるのは臨時雇用ではたらくパートやアルバイト以外のすべての労働者と役員、経営者です。
似たような言葉として「従業員」がありますが従業員には役員や経営者が含まれずアルバイトやパートが含まれるところに違いがあります。
「社員」の使い方
・『訪問客には社員が対応する決まりだ』
・『売上回復に向けて社員一同が力を合わせて仕事に励む』
・『外注スタッフでは話しが通じないので社員を呼んでもらう』
・『経営危機により社員を減らすことが決まった』
「職員」とは?
「職員」とは、「組織や団体に所属して働く人」を意味する言葉です。
一般的に「職員」という言葉は官公庁や団体など「会社以外の組織で働いている人」に対して用いる言葉です。
本来の意味は「職務に就いている人」であり会社組織とそれ以外を区別する意味合いで使われます。
「職員」という言葉が使われるのは会社以外の幅広い組織や団体です。
官公庁以外にも非営利組織や宗教団体などに使えるほか特定の施設などその場所で働いている人に大して身分や所属よりも職務を重視する意味でも用いられます。
基本的には給料をもらって働く人を指しますが職務に就いていることが重要なので無償ではたらくボランティアも職務を果たしていれば「職員」です。
「職員」の使い方
・『団体の職員として採用が決まった』
・『職員が足りないので人手不足を残業で補っている』
・『職員を集めて朝礼が行われる』
・『優秀な職員に対して特別手当が支給された』
「社員」と「職員」の違い
「社員」と「職員」の違いは「所属先」です。
所属先が会社であれば「社員」で会社以外の組織や団体であれば「社員」という言葉が使われます。
ただし、遊園地の経営会社に所属しながら遊園地で働く人などは身分としては「社員」ですが現場では「職員」という呼ばれることもあります。
これは仕事現場である遊園地では会社所属であるかという点が重視されておらず遊園地で働いているという職務が重視されているからです。
会社所属を重視する場合は「社員」、職務を担当していることを重視する場合は「職員」という形でも区別されます。
まとめ
「社員」と「職員」は普段何気なく使っている言葉ですが指す内容が異なる別の言葉です。
それぞれの意味を正しく理解して使い分けてください。