詐欺やウソに関する言葉として「眉唾」と「眉唾物」があります。
似たような言葉ですがどのような意味の地街があるのでしょうか。
今回は、「眉唾」と「眉唾物」の違いについて解説します。
「眉唾」とは?
「眉唾」とは、「ウソやまやかしにだまされないよう用心すること」を意味する言葉です。
「眉唾」という言葉は「眉に唾をつける」の略語です。
なぜ眉に唾をつけるのかというと「狐や狸にだまされないため」です。
昔から狐や狸は人間をだますいたずらものとして知られていました。
泥団子を饅頭だと思い込まされて一心不乱に貪ったりいい気持ちで風呂に使っていたつもりがはっと目覚めると肥溜めだったりなど、イタズラと片付けるには少々悪質なものもありますが昔からウソやまやかしで人をだます存在といえば狐や狸が定番でした。
狐や狸は人間の眉毛の本数を数えることで術をかけ人をだますと信じられており、だまされないようにするため眉の数を数えられなくするのが効果的だとされていました。
眉の数を数えさせないために唾を付けてぺたりとはりつける様子を指す言葉が「眉唾」でありその目的から「だまされないようあらかじめ気をつけて備えておくこと」という意味で使われています。
一般的に「眉唾」という言葉は「疑ってかかる」「疑わしいものを信じないよう気構えを持つ」と言った意味合いで使われており、詐欺やウソに対する自衛の気持ちを指しています。
「眉唾」の使い方
・『口のうまい彼の話は眉唾で聞く必要がある』
・『セールストークは眉唾で聞くことにしている』
・『都合のいい話は眉唾で聞くくらいでちょうどいい』
・『彼女の話は眉唾でかかる必要があるがとりあえず聞くだけ聞いてみる』
「眉唾物」とは?
「眉唾物」とは、「とても信用出来ない疑わしいもの」という意味合いの言葉です。
「眉唾物」とは「眉唾でかかる必要があるもの」を意味します。
最初からだまされないよう用心してかかる必要があるということはそのものが疑わしく信用出来ないということです。
「眉唾物」と言われるものは贋作の可能性があったり詐欺話の疑いがあったりなど「信用するとひどい目に合う可能性があるもの」です。
「眉唾物」という言葉が表すのは「はっきりとした証拠はないが状況や様子から考えて最初から信用してはいけないもの」です。
必ずしも相手に悪意があるとは限らず善意の「眉唾物」も存在します。
本物か偽物か、真実かうそかにかかわらず心構えとしてだまされることのないよう備えてから事にあたる必要のあるものが「眉唾物」です。
「眉唾物」の使い方
・『財宝の地図らしいが眉唾物である』
・『夢のクリーンエネルギーと称されるもののほとんどは眉唾物だ』
・『埋蔵金に関する話は九分九厘眉唾物である』
・『眉唾物の話を信じこんでしまいまんまとだまされる』
「眉唾」と「眉唾物」の違い
「眉唾」が疑ってかかり用心することを意味するのに対し「眉唾物」は疑ってかかり用心する必要があるものを指します。
とても本物とは思えない美術品がある場合、美術品の取引に臨む前の心構えにあたるのが「眉唾」、疑わしい美術品そのものを差すのが「眉唾物」という違いで区別されます。
まとめ
「眉唾」と「眉唾物」はとてもよく似た言葉ですが表している内容には大きな違いがあります。
さらに「眉唾物」を省略して「眉唾」ということもあるためわかりにくさに拍車がかかっています。
どのような文脈で使われているのかに注目して言葉の意味を正しく理解しましょう。