「弱視」と「近視」はどちらも視力に関する言葉ですが、意味が異なるため使い分けることが必要です。
この記事では、「弱視」と「近視」の違いを分かりやすく説明していきます。
「弱視」とは?
「弱視」は「じゃくし」と読む言葉で、一般的には「通常教育を受けるのが難しいほど視力が低い眼のこと」を指しますが、医学分野では「眼鏡やコンタクトレンズを使用しても視力が1. 0に届かない眼のこと」を意味します。
近くを見ても遠方を見てもピントが合わない「屈折異常弱視」や左右の目の屈折度合いが異なる「不同視弱視」、片目の視線が合わない「斜視弱視」などのタイプがあります。
「近視」とは?
「近視」は「きんし」と読む言葉で、「近くのものは明確に見えるが遠くのものはボヤけて見える眼のこと」を意味します。
「網膜までの距離が正常より長い」もしくは「水晶体の屈折力が強い」ために生じるといわれており、凹レンズを用いて良化します。
「弱視」と「近視」の違い
「弱視」と「近視」は双方とも視力が正常ではない状態を表す言葉ですが、それぞれが持つ意味合いに違いがあります。
「弱視」は「通常教育を受けるのが難しいほど視力が低い状態」または「眼鏡やコンタクトレンズを用いても1. 0に届かない眼のこと」を示します。
裸眼で0. 3程度の視力しかない状態でも、眼鏡などを使用することで1. 0以上の視力に上がる場合は「弱視」とはみなされません。
一方、「近視」は「近くのものは明確に見えて遠くのものはボヤけて見える視力のこと」を指し、凹レンズの眼鏡またはコンタクトレンズを用いて良化します。
「弱視」の例文
「弱視」は「通常教育を受けるのが難しいほどの低視力」や「眼鏡やコンタクトレンズを利用しても視力が上がらない眼」という意味があり、「弱視になる」や「弱視と診断される」、「弱視を治療する」といった使われ方をしています。
・『弱視になる原因のひとつとして斜視が挙げられる』
・『目を細めてものを見ることが多くなったので、眼科を受診したら弱視と診断された』
・『弱視は視力機能の感受性が高いうちに治療する必要がある』
「近視」の例文
「近視」は「近くのものがはっきり見えて遠くのものがボヤけて見える視力」で、「凹レンズを用いて改善を試みる視力」のことを指します。
用法としては、「近視になる」や「近視の原因」、「近視を防ぐ」などがあります。
・『近視になったのでコンタクトレンズを使用することにした』
・『近視の原因には、遺伝的要因と環境的要因が関わっているらしい』
・『近視を防ぐためには照明の適度な明るさや正しい姿勢が重要とされている』
まとめ
「弱視」と「近視」は混同されがちな言葉ですが、各々が持つ意味合いに違いがあることが分かります。
両者の正しい意味や使い方を学んで、シチュエーションや視力の状態などに応じて使い分けましょう。
ぜひ言葉の知識をより深める参考にしてください。