「秋吉台」と「秋芳洞」は山口県の代表的な観光スポットですが、その違いが分かりにくいと感じている人が多いようです。
そこでこの記事では、「秋吉台」と「秋芳洞」の違いを分かりやすく説明していきます。
「秋吉台」とは?
「秋吉台」【あきよしだい】は、山口県美祢市にあるカルスト台地(浸食した石灰岩から自然に作られる地形)の名称です。
台地の広さはおよそ100haで、日本最大級の規模を誇ります。
カルスト台地を形成する石灰岩は、海底にあったサンゴ礁と火山灰が変化したものです。
2億5千万年前に、海底から移動した巨大な石灰岩のかたまりが大陸プレートにぶつかり、それから雨水などによって少しずつ浸食されていき、独特な形状の台地が形成されました。
地下には鍾乳洞(しょうにゅうどう)、地表にはドリーネと呼ばれるすり鉢状の穴、カッレンフェルトと呼ばれる岩柱を多数有するところが特徴です。
美祢市を流れる厚狭川によって東西に分かれ、東側は「秋吉台国定公園」や特別天然記念物に指定されています。
地表には壮大な高原が広がり、秋吉台を縦断するカルストロード(県道242号線)は絶景が楽しめるドライブコースとしても親しまれています。
「秋芳洞」とは?
「秋芳洞」【あきよしどう】は、山口県美祢市の秋吉台国定公園にある鍾乳洞の名称です。
カルスト台地「秋吉台」の地下には400以上の鍾乳洞があり、その一つである「秋芳洞」は日本最大級の規模をほこります。
「秋芳洞」は入口に滝があるため、かつては瀧穴(たきあな)と呼ばれていました。
室町時代に初めて住職が洞内に入り、雨ごいをしたことをきっかけに開山されますが、人が近寄ることは少なく、ひっそりとしていました。
ところが、明治時代になってから本格的な調査が入るようになり、学術的に価値の高いことが判明しました。
その後は国の天然記念物年、同特別天然記念物に指定、国定公園や日本ジオパークにも指定されています。
瀧穴と呼ばれていた鍾乳洞は、昭和天皇のお考えによって「秋芳洞」と命名され、全国的にその名が知られるようになりました。
洞内には百枚皿、小金柱などの見所があり、現在は約1kmの観光コースが開放されているので、誰もが気軽に観光を楽しめます。
「秋吉台」と「秋芳洞」の違い
「秋吉台」と「秋芳洞」の違いを、分かりやすく解説します。
「秋吉台」は、山口県美祢市に広がるカルスト台地です。
その「秋吉台」の地下にある鍾乳洞が「秋芳洞」です。
秋吉台にある「秋吉台国定公園」はドライブやアウトドアが楽しめるとして、「秋芳洞」は地下100mの神秘的な世界に触れられる観光名所として人気があります。
「秋吉」と「秋芳」はどちらも「あきよし」と読むために混同されがちですが、このようにはっきりした違いがあります。
まとめ
「秋芳洞」は、山口県のカルスト台地「秋吉台」にある鍾乳洞の名称です。
どちらも読み方に「あきよし」が含まれますが同じものではありません。
漢字は「秋吉」と「秋芳」を間違えないようにしましょう。