この記事では、「せっかく」と「苦労して」の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「せっかく」とは?
無理してまでやったというのに褒められもせず、やった甲斐がないと思うとき使うのが「せっかく」です。
使い方としては、「せっかく結婚式を挙げる日に台風になってしまった」と、みなが集まる大切な日に限って天気が悪いとは皮肉であると伝えられます。
また、「せっかく高いお金を出して買った着物を着て行く」と、大金をはたいて購入したものを着たいといった気持ちを伝えるのです。
「苦労して」とは?
自分が持つ能力と全神経を注いだというのに、報われないときに使うのが「苦労して」【くろうして】です。
物事の本質が分からないときは色々な資料から情報を得たり、現場に向って調査したというのに、それらの行動が一切無駄になってしまったとき「苦労してやったのに使われなかった」と悲観します。
この動詞の使い方としては、「苦労しても良いことがない」と頑張ったところで結果は良い方向に向わない現実に嘆きを伝えるのです。
「せっかく」と「苦労して」の違い
ここでは「せっかく」と「苦労して」の違いを、分かりやすく解説します。
遠い場所から会いたいと来たというのに、肝心の主が留守であれば「せっかく来たのに残念だった」と自分の落ち込む気持ちを伝えるのです。
無理してやったことが報われないとき副詞として使います。
もう一方の「苦労して」は努力を積み重ねて実行しても、結果が伴わない場合に使われているのです。
「苦労して磨き上げたのに、買ってもらえなかった」といえば何度も苦労して磨いたとしても購入されないという酷い結果を伝えられるのです。
「せっかく」の例文
・『せっかく苦労して登っても、霧が凄くて街の景色が見えない』
・『せっかく手放した薄気味悪い人形がまた戻って来た』
「苦労して」の例文
・『子供の頃から苦労して集めた玩具を飼い犬に噛まれてしまった』
・『苦労して飛行機を乗り継いで妹の家に行けば、誰も住んでいなかった』
まとめ
どことなく意味が似ていますが、使い方や意味に違いがあります。
どのようなとき使えばより言葉の意味をうまく使い分けられるか比較してみるといいでしょう。