この記事では、「引く」と「退く」の違いを分かりやすく説明していきます。
「引く」とは?
物の端をもち、手近な所に寄せる、手前に動かす、線で描く、線状に伸ばす、関係を断つ、中途でやめるなどのような意味をもつ言葉です。
また、「引く」は、弦楽器や鍵盤楽器を鳴らすという意味でも使用されることがあります。
「退く」とは?
「後ろに下がる」、「場所をあける」、「引退する」、「元の状態に戻る」、「縁を切る」などのような意味をもつ言葉です。
「退く」という言葉には、「しりぞく」「どく」「のく」の三通りの読み方があるとされます。
「しりぞく」は後ろに下がり、「どく」は場所をあけ、「のく」は引退するという意味が、それぞれの読み方にはあります。
「引く」と「退く」の違い
「引く」と「退く」の違いを、分かりやすく解説します。
「引く」と「退く」という言葉は、どちらも「後ろに動く」という意味をもつ言葉ですが、使い方やニュアンスに違いがあります。
「引く」は、物や人を手前に動かしたり、線や音を作ったり、関係を断ったりすることを表現する際に使用する言葉です。
その一方で、「退く」は、自分や他のものが後ろに下がったり、元の状態に戻ったり、引退したりすることを表現する際に使用する言葉です。
このように、「引く」と「退く」の違いは、主に「引く」は他動詞で「退く」は自動詞であることが挙げられます。
つまり、「引く」は自分が何かを動かすときに使用し、「退く」は自分や何かが動くときに使用すると言えます。
「引く」の例文
・『彼は彼女から身を引くことにした』
・『彼は仕事をする上で、いつも部下たちのために、補助線を引く』
「退く」の例文
・『今回の敗北によって、一線から退くことにした』
・『彼は失敗したので、このプロジェクトからは退くことにした』
まとめ
「引く」と「退く」は、どちらも「ひく」と読める言葉ですが、ニュアンスや使い方が異なります。
「引く」は、物を手前に動かしたり、線を描いたり、音を出したりすることを表現する言葉です。
その一方で、「退く」は、後ろに下がったり、元の状態に戻ったり、関係を断ったりすることを表現する言葉です。
それぞれの言葉を正しく使い分けられるように注意しましょう。