「恩返し」と「親孝行」は双方とも人に対して使われる言葉ですが、意味が異なるため状況に合わせて使い分けることが必要です。
この記事では、「恩返し」と「親孝行」の違いを分かりやすく説明していきます。
「恩返し」とは?
「恩返し」は「おんがえし」と読む言葉で、「相手から受けた恩に対して報いること」を意味します。
「恩」には「情け」や「恵み」「慈しみ」といった意味があり、「恩返し」は「自分に対して良いことをしてくれた人に感謝して、それに見合う行為を相手におこなうこと」を示します。
「親孝行」とは?
「おやこうこう」と読む「親孝行」は、「親を大事にし、誠意や慈しみを持って接すること」または上記のような人や様子という意味がある言葉です。
「親孝行」は、古代中国の思想家である孔子の教えが由来といわれています。
「恩返し」と「親孝行」の違い
「恩返し」と「親孝行」の違いを分かりやすく解説します。
「恩返し」は「相手から受けた情けや恵みなどに対して、それに見合う行為を相手におこなうこと」を示し、恩を受けた人であれば関係性を問わずに使用できる言葉です。
一方、「親孝行」は「親を大切にし、真心や慈しみを持って接すること」という意味があり、父親や母親、もしくは養父母に限定して使用します。
また、「親孝行」は「親に恩返しをする」という意味合いで使用されるケースも多くあります。
「恩返し」の例文
「恩返し」は「〜に恩返しをする」や「〜に恩返ししたい」などのように用います。
ポジティブな意味合いを持った言葉として使われます。
・『学生時代にお世話になった先生方に恩返しをする』
・『成功したら故郷に恩返ししたい』
「親孝行」の例文
「親孝行」は「親孝行する」「親孝行な〜」のように使用します。
なお、「親孝行したいと思ったときには既に親が他界して孝行できない」ことを「親孝行したいときに親はなし」と表現します。
・『親孝行するために両親を温泉旅行に招待した』
・『Aちゃんは親孝行な娘さんだ』
まとめ
「恩返し」は「相手から受けた恩に対して報いること」を示し、「親孝行」は「親を大切にし、誠意や慈しみを持って接すること」を示します。
ぜひ参考にして両者の意味や使用例を理解し、シーンに応じて使い分けてください。