「封印」と「封緘」はいずれも漢字の「封」が使われていますが、意味の違いはあるのでしょうか。
この記事では、「封印」と「封緘」の違いを分かりやすく説明していきます。
「封印」とは?
「封印」は「ふういん」と読む言葉で、「封をした証として印を押すこと」または「封じ目に押す印そのもの」を意味します。
漢字の「封」は「とじる」「とじた物」「封じ込める」などの意味を持ち、「印」は「はんこ」「印」「しるす」といった意味を含んでいます。
また、「封印」は「内部のものが外に出ないように閉じてふさぐこと」や、「何かを隠したり表に出さなかったりすること」という意味で使用されることもあります。
「封緘」とは?
「ふうかん」と読む「封緘」は、「とじる」「とじた物」「封じ込める」などを表す「封」と、「ふさぐ」「封をする」「箱などが開かないように縛る紐や縄」「手紙」といった意を示す「緘」で構成される熟語です。
「手紙や封筒等に封をすること」や「封筒をとじること」、あるいは「封をとじた物」を意味します。
「封印」と「封緘」の違い
「封印」と「封緘」は手紙や封筒などの「封」や「封じ目」に関する意味を持つ点は共通していますが、以下のような違いが存在します。
「封印」については「封をした証拠に印を押すこと」や「封じ目部分に押す印」を示し、「書類が入った封筒を封印する」や「遺言書を封印する」のように用いられます。
また、「封印」は「中身が外に出ないように閉じてふさぐこと」や「何かを隠す、または表に出さないこと」という意味も含んでおり、前者の場合は「洞窟に封印された宝物」、後者は「必殺技を封印して戦う」のように使用します。
一方、「封緘」は「封筒・手紙などに封をすること」または「封をした物」を意味し、「両親に宛てた手紙を封緘する」や「封緘された郵便物を受け取る」などのように使用します。
なお、ビジネス分野では「緘」の字が使われた「封緘印」が使われることがあり、主に信書や重要な書類に対して用いられます。
そのほか、「封緘」には「封蝋」と呼ばれる「シーリングワックス」を利用するケースもあります。
まとめ
「封印」は「封をした証拠に印を押すこと」や「封じ目部分に押す印」を示し、「封緘」は「手紙等に封をすること」や「封をとじた物」を示します。
両者の意味や使用例を理解して、場面に応じて使い分けましょう。
書類や文書を封筒に入れる際はぜひ参考にしてください。