「請求」と「計上」は双方ともお金に関係する意味を持ちますが、意味が異なるため区別して用いることが必要です。
この記事では、「請求」と「計上」の違いを分かりやすく説明していきます。
「請求」とは?
「請求」は「せいきゅう」と読む言葉で、「何らかの行為を相手に求めること」を意味します。
現在では、主に「物の受け渡しや金銭の支払いなどを求めること」という意味で使用されています。
漢字の「請」は「ねがう」「こう」「引き受ける」などを表し、「求」は「求める」「ほしがる」といった意を示します。
「計上」とは?
「けいじょう」と読む「計上」は、「数える」「数や量をはかる」「くわだてる」などの意味がある「計」と、「上の方」「身分や程度などが高い」「あげる」「順番が前のほう」といった意味を含む「上」から構成される熟語です。
「全体的な計算の中に費用などを組み入れること」を意味するほか、会計分野では「帳簿に売上や費用などの数字を記して決算書に反映させること」という意味で普及しています。
「請求」と「計上」の違い
「請求」も「計上」も「金銭」に関係する意味を持つ点は共通していますが、次のような違いがあります。
「請求」は「ある行為を先方に求めること」、特に「金銭の支払いまたは物の受け渡しを求めること」という意味があり、金銭以外の物事に対して使用されることもあります。
金銭に対して使用する際は「代金として1万円を請求する」「クリーニング代を請求する」のように表現し、金銭以外のものに対して使う際は「情報の開示を請求する」「資料請求をした」のように用います。
一方、「計上」は「全体的な計算の中に費用などを組み込むこと」を意味し、会計の世界では「帳簿に売上などを記して決算書に反映させること」という意味で使用されています。
また、会計の実務においては、資産や収益に「計上」することを「上げる」、費用に「計上」することを「落とす」と表すこともあります。
「計上」の使用例としては、「予算を計上する」「売上を計上する」などが挙げられます。
まとめ
「請求」は「何らかの行為を相手に求めること」「物の受け渡しや金銭の支払いなどを求めること」を示し、「計上」は「全体的な計算の中に費用などを組み入れること」「帳簿に記して決算書に反映させること」を示します。
両者の意味や使用例を理解して、状況に応じて使い分けてください。