「不可欠」と「不可避」はどちらも「不可」という言葉が入った熟語ですが、意味が異なるため区別して用いる必要があります。
この記事では、「不可欠」と「不可避」の違いを分かりやすく説明していきます。
「不可欠」とは?
「不可欠」は「ふかけつ」と読む言葉で、「無くてはならないものや様子」を意味します。
「不可」には「〜できない」「〜することが不可能」といった意味があり、「欠」には「欠く」「足りない」などの意味が含まれています。
「不可避」とは?
「ふかひ」と読む「不可避」は、「避けられない物や状況」を意味する言葉です。
「不可」は「〜できない」という意を示し、「避」は「災いなどを受けないようによける」「避ける」「逃れる」などを表します。
「不可欠」と「不可避」の違い
「不可欠」と「不可避」の違いを分かりやすく解説します。
「不可欠」は「欠くことが不可能」と書くように「無くてはならない物や状態」を意味し、「何としても必要な物事」に対して使用します。
一方、「不可避」は「避けることが不可能」と書く通り「回避できない物事」を表し、「対応せざるをえない物事」「逃れられない物事」に対して用います。
「不可欠」の例文
「不可欠」は「不可欠な〜」や「〜が不可欠」のように使われます。
やや改まった印象があるため、ビジネスなどの分野で用いられることが多いといえます。
・『この点は目標達成のために不可欠な要素です』
・『問題解決のためには皆の協力が不可欠だ』
「不可避」の例文
「不可避」は「不可避な〜」「〜は不可避」などのように使用します。
どちらかというとかしこまった場面で用いる機会の方が多い言葉ですが、「草不可避」のように笑いを堪えられないことを表すネットスラングとして使われる場合もあります。
・『このままでは二人の関係悪化が不可避な状況だ』
・『周辺諸国との衝突は不可避と思われる』
まとめ
「不可欠」は「無くてはならない物事」を示し、「不可避」は「避けられない物事」を示します。
「欠」と「避」の意味を考慮することが両者を使い分けるポイントといえるでしょう。
ぜひ類似する言葉の使い分け方法を理解する参考にしてください。