「人選」と「選出」はいずれも「選」という漢字が用いられた熟語ですが、意味の違いはあるのでしょうか。
この記事では、「人選」と「選出」の違いを分かりやすく説明していきます。
「人選」とは?
「人選」は「じんせん」と読む言葉で、「沢山の中から、特定の仕事をおこなうのに適した人物を選ぶこと」を意味します。
漢字の「人」には「ひと」「人柄」「性質」などの意味があり、「選」は「目的などにかなうものを取り出す」「選りすぐる」といった意味が含まれています。
「選出」とは?
「せんしゅつ」と読む「選出」は、「沢山の中から選び出すこと」という意味がある言葉です。
「選」は「目的や基準などに適するものを取り出す」「選りすぐる」といった意を示し、「出」は「外に出る」「現れる」「抜きん出る」などを表します。
「人選」と「選出」の違い
「人選」も「選出」も「多くの中から選ぶ」という意味合いを持つ点は共通していますが、次のような違いがあります。
「人選」は「数多くの中から、特定の仕事をおこなうのに適する人物を選ぶこと」を意味し、主に人に対して使用される言葉です。
一方、「選出」の場合は「数多くの中から選び出すこと」を意味し、人だけでなく物事を選ぶ際に使用されることもあります。
「人選」の例文
「人選」は「〜を人選する」「人選にあたる」のように使用します。
ビジネスなどフォーマルな場面で用いられる言葉といえるでしょう。
・『新しいプロジェクトに参加する職員を人選する』
・『チームリーダーの人選にあたる』
「選出」の例文
「選出」は「〜を選出する」「〜に選出される」などのように使います。
普段の生活ではなく改まったシーンで使用される傾向があります。
・『今年度の優秀作品を選出する』
・『彼女は県知事に選出された』
まとめ
「人選」は「沢山の中から特定の仕事をおこなうのに適した人物を選ぶこと」を示し、「選出」は「沢山の中から選び出すこと」を示します。
「何を選ぶか」に着目することが両者を使い分けるコツといえます。
ぜひ言葉の違いを知る参考にしてください。