この記事では、「脳死」と「心臓死」の違いを分かりやすく説明していきます。
「脳死」とは?
「脳死」とは脳が機能停止している状態です。
最初に脳が機能停止したことが原因で生命維持ができなくなり死亡したことを指します。
心臓や肺のような生命活動を司る器官も脳から命令を受けて動いているので、通常は脳が完全に機能を停止すると心肺も機能を維持できません。
それによって脳と心肺が停止した状態がいわゆる死亡した状態ですが、生命維持装置を用いて呼吸と血液の循環を行うことで、脳は停止していても体だけはしばらく生命活動を維持できます。
この脳だけが機能停止して心臓も肺も維持装置によって動いている状態も「脳死」です。
「心臓死」とは?
「心臓死」とは心臓や肺が機能停止して死亡した状態です。
肺は空気中の酸素を血液に取り込み、心臓は取り込んだ酸素や栄養を血液に乗せて循環させる役割を持ち、直接的に生命活動を維持しています。
その器官が停止して回復できなくなった状態が「心臓死」です。
一時的に心臓が止まる心停止と違い回復できないくらい機能が損なわれた状態であり、当然血液の循環もできなくなっているので時間とともに体も冷たくなっていきます。
「脳死」と「心臓死」の違い
「脳死」と「心臓死」の違いを、分かりやすく解説します。
脳が機能停止している状態が「脳死」で、心臓や肺が回復できない形で機能停止しているのが「心臓死」です。
「脳死」は脳が先に止まったことが原因で心肺が停止して死亡したことも、脳だけが停止して心肺は機械で機能を維持できている状態も指します。
ですが「心臓死」は心肺が停止したことが原因で脳も停止し死亡した状態だけを指す言葉です。
まとめ
脳と心臓と肺のすべてが停止した状態が死亡と言えますが、脳が最初に止まったせいで心肺が停止した場合が「脳死」、心肺が先に停止したせいで脳が停止した場合が「心臓死」となります。
これらは臓器移植できるかどうかの判断のような場面で使われる場合の意味なので、「脳死」は脳だけ止まっている状態を指す言葉として使われることもある点に注意しましょう。