「億劫」と「憂鬱」はいずれも人の気持ちに関係する言葉ですが、意味合いが異なるため区別して用いる必要があります。
この記事では、「億劫」と「憂鬱」の違いを分かりやすく説明していきます。
「億劫」とは?
「億劫」は「おっくう」と読む言葉で、「面倒くさくて気が進まない様子」を意味します。
漢字の「億」には「万の一万倍を表す数の単位」「数が極めて多いこと」「推し量る」といった意味があり、「劫」には「おどす」「脅かす」「極めて長い時間」という意味が含まれています。
「憂鬱」とは?
「ゆううつ」と読む「憂鬱」は、「気持ちがふさぎ込んで晴れないこと」を意味するほか、「周囲が暗くなるほど草木が生い茂ること」という意味も持っています。
「憂」は「思い悩む」「心配する」「辛い」などを表し、「鬱」は「草木が茂る」「気がふさぐ」といった意を示します。
「億劫」と「憂鬱」の違い
「億劫」と「憂鬱」の違いを分かりやすく解説します。
「億劫」は「面倒で気が乗らない様子」を意味し、物事に対し煩わしくてやる気が出ない気持ちを表す際に使用します。
一方、「憂鬱」は「気がふさぎ込んで晴れないこと」を意味し、気分が落ち込んだり気持ちが晴ればれしなかったりするような場面で用います。
なお、「憂鬱」は「暗くなるほど草木が生い茂ること」という意味もありますが、現在は「気分がふさぐ」という意味で使われる機会が多いといえます。
「億劫」の例文
「億劫」は「億劫になる」や「〜するのも億劫だ」などのように使用します。
否定的な気持ちを表現する言葉になるため使用の際は注意が必要です。
・『連休明けは会社に行くのが億劫になる』
・『疲れすぎて食事するのも億劫だ』
「憂鬱」の例文
「憂鬱」は「憂鬱になる」や「憂鬱な気持ち」のように使います。
ネガティブな印象がある言葉なので、使う場面に配慮することが必要といえます。
・『満員電車に2時間も乗って出勤すると思うと憂鬱になる』
・『月曜日はたいてい憂鬱な気持ちになる』
まとめ
「億劫」は「面倒に思って気が進まない様子」を示し、「憂鬱」は「気持ちがふさぎ込んで晴れないこと」を示します。
どちらも消極的な気持ちを表す言葉なので、周囲に配慮しながら使用する必要があるといえます。
ぜひ両者の違いを理解する参考にしてください。