「明示」と「開示」はいずれも「示」という漢字が使われた熟語ですが、細かな意味合いが異なるため使い分けが必要な場合があります。
この記事では、「明示」と「開示」の違いを分かりやすく説明していきます。
「明示」とは?
「明示」は「めいじ」と読む言葉で、「物事を明瞭にはっきりと示すこと」を意味します。
漢字の「明」には「明るい」「夜があける」「はっきりしている」といった意味があり、「示」には「しめす」「指し示す」「教える」という意味が含まれています。
「開示」とは?
「かいじ」と読む「開示」は、「はっきりと示すこと」や「説き明かして示すこと」を意味する言葉です。
「開」は「あける」「ひらける」「始まる」などを表し、「示」は「指し示す」「しめす」「教える」といった意を示します。
「明示」と「開示」の違い
「明示」も「開示」も「はっきりと示す」という意味合いを持つ点は共通していますが、つぎのような違いがあります。
「明示」は「物事を明確にはっきり示すこと」を意味し、主に日付や条件などを曖昧さがなく明瞭に示す際に使用します。
一方、「開示」の場合は、「通常は公開されていない事柄や、他人が知ることが難しい事柄を明らかにして示す」という意味合いが強い言葉とされています。
「明示」の例文
「明示」は「〜を明示する」のように使用します。
ややかしこまった印象があるため、日常生活での出番は少ないかもしれません。
・『労働条件を明示する』
・『商品の製造年月日を明示する』
「開示」の例文
「開示」は「〜開示する」や「〜の開示」のように用います。
普段の会話ではなく、ビジネス分野で使用される機会が多い言葉です。
・『費用に関する情報を開示する』
・『機密情報の開示を求められる』
まとめ
「明示」と「開示」は双方共に「物事をはっきり示すこと」という意味を含んでいるものの、「開示」は「通常時は公開されていない事柄や、他人が知ることが難しい事柄を明らかにして示すこと」という意味合いが強いとされています。
両者の使用例も参考にして、状況に合わせて使い分けてください。