この記事では、「父兄」と「保護者」の違いを分かりやすく説明していきます。
「父兄」とは?
元々は漢字が示す通り、父と兄という意味でしたが、戦前の日本では、女性に権利が認められていなかったため、学校などで児童及び生徒の保護者を指す言葉として使用されたことで知られています。
つまり、教師が連絡や相談する相手は、その家の男性である父兄だったと言えるでしょう。
「保護者」とは?
その生徒や児童に責任を負う立場の者を意味する言葉です。
単に、父や母だけでなく、祖父母や叔父叔母、兄姉なども含まれることで知られています。
また、「保護者」は、法律上の親権者や後見人である必要はないと考えられます。
「父兄」と「保護者」の違い
「父兄」と「保護者」の違いを、分かりやすく解説します。
「父兄」と「保護者」は、基本的に意味で使用される言葉です。
「父兄」と書いてある学校や園も、父、母、保護者すべてにあてての意味で使われています。
しかし、そのうち戦前の男尊女卑が主流だった時代の女性差別的な言い方である「父兄」は完全になくなるとされています。
その一方で、「保護者」は、父母だけを指すのではなく、その生徒や児童に責任を負う立場の者すべてを指すと考えられます。
「父兄」の例文
・『参観日には、多くの父兄が足を運んだ』
・『父兄の方々が車を出してくれたので、事なきを得ました』
「保護者」の例文
・『保護者から学校に対し、さまざまな意見が提出されたので、学校はこれまでのやり方を変更せざるを得ないだろう』
・『子供たちの保護者である以上、さまざまな面で、目にかける必要がある』
まとめ
「父兄」と「保護者」は、現在では同じ意味で使われることが多いですが、昔は「父兄」の方が一般的だったとされます。
しかし、女性差別や家庭環境の多様化などの理由で、「父兄」は徐々に使われなくなり、現在では「保護者」に置き換えられていることでしょう。