この記事では、「鑑み」と「考慮」の違いを分かりやすく説明していきます。
「鑑み」とは?
手本となるものや先例と比較して考えることを意味する言葉です。
「鑑み」という言葉は、「鑑」という名詞が動詞化したものです。
「鑑」は、見習うべきものや手本となるものという意味をもち、鏡に映る自分の姿を見て反省したり、模範となる人物を見て学んだりすることから、そのような意味になったと言えます。
そのため、「鑑みる」は、そうした手本や先例に照らして考えることを表現することが可能です。
「考慮」とは?
様々な要素を含めて物事を考えることを意味する言葉です。
「考慮」という言葉は、「考」と「慮」という2つの漢字から構成されます。
「考」は、思考することを指し、「慮」は、心の中であれこれと並べて考えることを表すと言えます。
そのため、「考慮する」は、さまざまな要素に気を配りながら物事を考えることを表現することが可能です。
「鑑み」と「考慮」の違い
「鑑み」と「考慮」の違いを、分かりやすく解説します。
「鑑みる」と「考慮する」は、どちらも何かを考えることを意味する言葉ですが、使用されるケースやニュアンスには違いがあります。
「鑑みる」は、手本や先例など、比較する対象があることを表現する際に使用する言葉です。
その対象と照らし合わせ、真の姿を見極めたり、判断したりするときに用いられます。
その一方で、「考慮する」は、さまざまな要素や事情を考えに入れることを表現する際に使用する言葉です。
誰かに気を配ったり、配慮したりするときにも使用されます。
このように、「鑑みる」と「考慮する」の違いとしては、比較対象の有無という点が挙げられます。
また、「鑑みる」はよりフォーマルで洞察力を必要とする場面で使われることが多く、「考慮する」は一般的なコミュニケーションや意思決定に広く使われることが多いと考えられます。
「鑑み」の例文
・『彼らのトラブルの原因に鑑み、どちらにも問題があることが分かった』
・『過去の失敗例に鑑み、今回は成功するに違いないと感じました』
「考慮」の例文
・『さまざまな事情を考慮した結果、彼の言っていることは間違っていると判断しました』
・『相手のスケジュールを考慮した上で、予定を決めることにしました』
まとめ
「鑑み」と「考慮」は、似たような意味をもつ言葉ですが、使い方やニュアンスには違いがあります。
「鑑み」は、何かと比べて考えるときに使用する言葉です。
その一方で、「考慮」は、さまざまな要素を考えるときに使用する言葉です。
どちらも「考える」という意味では同じですが、「鑑み」は比較対象が必要で、「考慮」はそうでないという点が異なると言えるでしょう。