「認証」と「認定」はどちらも「認」という漢字を用いた熟語ですが、意味合いが異なるため区別して覚える必要があります。
この記事では、「認証」と「認定」の違いを分かりやすく説明していきます。
「認証」とは?
「認証」は「にんしょう」と読む言葉で、「ある一定の行為や文書の成立などが正当な手続きによっておこなわれたことを公的機関が証明すること」を意味します。
また、「ネットワークやコンピュータ分野において、利用者本人かどうかを確かめること」という意味でも使用されています。
漢字の「認」には「物事を見極める」「承知する」といった意味があり、「証」には「根拠に基づいて事実を明らかにする」「あかし」などの意味が含まれています。
「認定」とは?
「にんてい」と読む「認定」は、「事実や資格などの有無、物事の当否などを審査・判断して決めること」や、「国や地方公共団体といった行政機関がある事柄の当否や存否などを判断して決めること」を意味します。
「認」は「承知する」「物事を見極める」などを表し、「定」は「定める」「決まる」「落ち着く」といった意を示します。
「認証」と「認定」の違い
「認証」と「認定」の違いを分かりやすく解説します。
「認証」は「公的機関が、一定の行為もしくは文書の成立などが正しい手続きによっておこなわれたことを証明すること」、もしくは「情報通信などの分野において、ユーザー名やパスワード等を使用して利用者本人かどうかを確かめること」という意味を示します。
一方、「認定」は「事実や資格などの有無、或いは物事の当否などを審査したり判断したりして決定すること」を意味するほか、「ある事柄の当否や存否などを行政機関が判断して決めること」という意味で使用されることもあります。
「認証」の例文
「認証」は「〜を認証する」や「本人認証」のように使用します。
ビジネスやコンピュータに関する場面で使用されている言葉といえます。
・『大使への信任状を認証する』
・『本人認証システムによって、より安全にクレジットカード支払いを利用できます』
「認定」の例文
「認定」は、「認定を受ける」や「認定試験」などのように用います。
ビジネスや教育などの分野でよく目にする言葉です。
・『その資格は厚生労働省による認定を受けている』
・『彼女は有名な認定試験に合格した』
まとめ
「認証」は「ある一定の行為や文書の成立などが正しい手続きによって成されたことを公的機関が証明すること」「ネットワークなどの分野において利用者本人を確かめること」を示し、「認定」は「事実や資格などの有無、物事の当否などを審査・判断して決定すること」「行政機関がある事柄の当否や存否などを判断して決定すること」を示します。
両者の使用例も参考にして、場面に応じて使い分けてください。