この記事では、「廃用症候群」と「老衰」の違いを分かりやすく説明していきます。
「廃用症候群」とは?
病気や怪我によって長期間寝たきりになることで起こる全身の障害を意味する言葉です。
「廃用症候群」は、活動の低下が主な原因で、筋力の低下、内臓機能の障害、精神的な問題など、多岐にわたる影響が出ると言われます。
また、「廃用症候群」は、安静が必要な状況がきっかけとなり、全身の機能にさまざまな影響があり、とりわけ高齢者や寝たきりの方が発症しやすいとされています。
「老衰」とは?
加齢に伴う自然な生理的なプロセスを意味する言葉です。
「老衰」は、身体の各器官の機能が徐々に衰えていくことを指します。
また、「老衰」は、筋肉量の減少や体力の低下など、年齢とともに進行する一連の変化です。
特定の病気ではなく、生命活動が自然に低下していく状態を表し、通常は70代後半以降に見られることが多いと考えられます。
「廃用症候群」と「老衰」の違い
「廃用症候群」と「老衰」の違いを、分かりやすく解説します。
「廃用症候群」と「老衰」は、似たような意味や重なる部分をもつ言葉ですが、発症のきっかけが異なる点が大きな違いだと言えます。
「廃用症候群」は、病気やケガによって長期間寝たきりになることで起こる全身の障害です。
これに対し、「老衰」は、加齢に伴う筋肉量の減少や体の機能が自然に衰えていく過程を指します。
「廃用症候群」は、安静が必要な状況がきっかけとなり、筋力の低下だけでなく、内臓機能の低下や精神的な問題も引き起こす可能性があると言えます。
心理的にもうつ状態やせん妄を引き起こす可能性も内包します。
その一方で、「老衰」は加齢が主な原因であり、70代後半以降に多く見られる症状です。
「老衰」による筋肉量の減少は、運動機能の低下を引き起こし、最終的には自立した生活が困難になることがあります。
しかし、老衰は自然な生理的な過程であり、廃用症候群のように特定の状況がきっかけで急激に機能が低下するわけではないと言えるでしょう。
まとめ
「廃用症候群」と「老衰」は、発症のきっかけや対策が異なりますが、どちらも高齢者のQOLに大きく影響するため、予防と適切なケアが重要だと言えるでしょう。