この記事では、「無機質」と「ミネラル」の違いを分かりやすく説明していきます。
「無機質」とは?
「無機質」【むきしつ】は主に二通りの意味で使われる言葉です。
一つは生物の体に含まれる、主要な4つの元素を除く栄養素のことです。
「ミネラル」ともいいます。
人体の場合、体の大半は水分とたんぱく質、脂質などの有機物で構成され、そのほかに有機化合物の「ビタミン」と「無機質」などの栄養素が含まれています。
「無機質」は体内で代謝やホルモンの分泌に関与し、ほかの栄養素と連携して体の調子を整えます。
生命を維持するために欠かせない「無機質」はナトリウム、カルシウム、鉄分などをはじめ16種類あり、食品から不足しないように摂取していく必要があります。
もう一つの意味は、物体や人の感情に生命が宿っている感じがしないさまを指します。
創作物や環境に人工的な雰囲気が漂っていること、人の言動が機械的で人間味が感じられないさまを「無機質」と表現します。
「ミネラル」とは?
「ミネラル」は英語で“mineral”と表記し、大きく分けて二つの意味があります。
一つは「鉱物」【こうぶつ】のことです。
これは元素で構成された天然の結晶状の物体のことで、鉄鉱石や銅鉱石のように工業に使われるもの、ダイヤモンドやヒスイのように宝石に加工されるものなどがあります。
もう一つは生物の体に含まれる「無機質」の別の呼び方です。
「ミネラル」を日本語の呼び方に変えたものが「無機質」になります。
「無機質」と「ミネラル」の違い
「無機質」と「ミネラル」の違いを分かりやすく解説します。
「無機」は炭素を含まない化合物、あるいは生命の宿っている感じがしないさまを意味し、「無機質」「ミネラル」はこれらの意味を含みます。
「無機質」と「ミネラル」は同じ意味を持つ言葉として使われることもありますが、状況によっては異なる意味も表します。
たとえば、生物の体に含まれる栄養素を表す場合は「無機質」と「ミネラル」は同じ意味を持ちます。
また、その場合はどちらの言葉を使っても間違いにはなりません。
両者で異なる点は、「無機質」は生命が宿っている感じがしないさまを表す時に使われ、「ミネラル」は鉱物という意味も持っている点です。
まとめ
「無機質」は体に必要な栄養素の一種で「ミネラル」とも呼ばれます。
また「無機質」「ミネラル」はそれ以外の意味も持っており、状況によっては互いに全く異なる意味を表します。