この記事では、「レジオネラ菌」と「サルモネラ菌」の違いを分かりやすく説明していきます。
「レジオネラ菌」とは?
自然界に広く存在する細菌を意味する言葉です。
とりわけ、水や湿った環境に生息しています。
人がエアロゾルを吸い込むことで感染し、レジオネラ症と呼ばれる疾患を引き起こすことがあります。
レジオネラ症には、重症の肺炎を引き起こす「レジオネラ肺炎」と、比較的軽症で自然に回復する「ポンティアック熱」の2つの形態があります。
感染すると、発熱、咳、呼吸困難などの症状に陥り、特に免疫力が低下している人では重症化しやすいので、注意が必要です。
「サルモネラ菌」とは?
食品を介して人に感染する細菌のことを意味する言葉です。
サルモネラ食中毒の原因となります。
とりわけ、生肉、鶏卵、乳製品などに存在し、これらの食品が適切に調理、もしくは加熱されていない場合に感染のリスクがあります。
サルモネラ食中毒の症状には、腹痛、下痢、発熱、頭痛などがあります。
「レジオネラ菌」と「サルモネラ菌」の違い
「レジオネラ菌」と「サルモネラ菌」の違いを、分かりやすく解説します。
「レジオネラ菌」と「サルモネラ菌」は、どちらも人間に感染症を引き起こす可能性がある細菌を意味する言葉ですが、生息環境、感染経路、および引き起こす病気の種類に違いがあります。
「レジオネラ菌」は、自然界の水や土壌に普通に存在し、とりわけ人工的な水環境やエアロゾルを発生させる環境で増殖しやすい菌のことです。
「レジオネラ菌」による感染症はレジオネラ症と呼ばれ、劇症型の肺炎や一過性のポンティアック熱を引き起こすことが知られています。
その一方で、「サルモネラ菌」は、腸内細菌科に属するグラム陰性の通性嫌気性桿菌のことです。
健康な成人では通常急性胃腸炎を引き起こすことが多く、とりわけ食中毒の原因となることがあります。
このように、「レジオネラ菌」は水環境に関連した感染症を引き起こし、「サルモネラ菌」は、食品を介した感染症を引き起こすという点で異なると考えられます。
まとめ
「レジオネラ菌」と「サルモネラ菌」は、生息環境や感染経路、引き起こす疾患において異なる特徴を持ちます。
「レジオネラ菌」は、水や湿気の多い環境に関連しており、「サルモネラ菌」は食品を介した感染が主であるという点が違いだと言えるでしょう。