この記事では、「カルパッチョ」と「お造り」の違いを分かりやすく説明していきます。
「カルパッチョ」とは?
「カルパッチョ」とは、薄くスライスした生の魚や肉にソースやチーズなどをかけて食べるイタリアの冷菜です。
「カルパッチョ」という料理名は、イタリアの画家「ヴィットーレ・カルパッチョ」に由来しています。
彼がこの料理を特に好んで食べてたことから「カルパッチョ」の名で呼ばれるようになりました。
ヴィットーレ・カルパッチョが食べていた料理は、生の牛肉の赤身を薄くスライスしてパルミジャーノ・レッジャーノというチーズをかけたものですが、日本では刺身や魚介にソースをかけた冷菜が「カルパッチョ」として定着しています。
これは、刺身を食べる食文化がある日本人に合わせ、日本のシェフが考案したことで普及しました。
日本の「カルパッチョ」は、マグロ、カツオのたたき、スモークサーモン、貝柱などの刺身にソースをかけた和洋折衷の料理になっています。
「お造り」とは?
「お造り」【お造り】とは、生の魚を切り身にして「あしらい」を盛り付け、醤油やわさびを付けて食べる料理のことです。
「お刺身」【おさしみ】の別の呼び方でもあります。
これは、魚を切ることを意味する「造る」と魚の「身」を組み合わせた「造り身」に「御(お)」を付けた「お造り身」が転じた言葉です。
かつては「切り身」と呼んでいましたが、魚の種類が分かるよう盛り付ける時に尾びれを刺していたことから「刺身」と呼ばれるようになりました。
しかし、武家社会では「切る」「刺す」は縁起の悪い言葉であるため、「造る」に言い換え、「刺身」を「お造り」とも呼ぶようになったのです。
「刺身」と「お造り」は同じものなのですが、魚を生で食べるためにさばいた料理が「刺身」、その「刺身」にけんやつまなどをあしらって豪華に盛り付けたものが「お造り」とイメージされるようにもなっています。
「カルパッチョ」と「お造り」の違い
「カルパッチョ」と「お造り」の違いを分かりやすく解説します。
「カルパッチョ」「お造り」は、生魚をスライスして盛り付けた料理という点が共通しています。
しかし、「カルパッチョ」がイタリア発祥の料理、「お造り」は日本料理の一種であり、まず料理の分野が異なります。
また、「お造り」に使われるのは生の魚ですが「カルパッチョ」は生の肉や魚を使います。
そのほか、味付けも異なります。
「カルパッチョ」はソースやチーズを上からかけて供します。
「お造り」は、調味料は刺身に直接かけず、豆皿に入れた醤油やわさびをつけながら食べるようになっています。
まとめ
「カルパッチョ」は生の肉や魚を薄くスライスしてソースやチーズをかけたもの、「お造り」は魚の刺身のことです。
同じ食材でも、調理や盛り付けの仕方で雰囲気の異なる料理に変わることがわかります。