この記事では、「とこしえ」と「いにしえ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「とこしえ」とは?
「とこしえ」とは、常に変わらないこと、同じ状態が終わりなく続くことです。
言葉の語源については諸説があり、岩が常に変わらない状態で置かれている様子から「床石上」の読み方に由来しているという説が聞かれます。
また、古い言葉で「長し方」「常し方)」と書いて「とこしへ(え)」と読む言葉があり、「長し」「常し」が意味する「時間が永久的であるさま」を表すようになったともいわれます。
この言葉は過去、現在、未来を含めた時間が長く続いていること、永遠を意味します。
また、漢字で表記する場合には「永久」があてられることもあります。
「いにしえ」とは?
「いにしえ」とは、現在からみてすでに過ぎ去った時、はるか遠い昔や時代を指す言葉です。
言葉の語源については、時間が過ぎ去ったことを「往ぬ」【いぬ】というように、古い言葉で過ぎ去った時間を「往にし方」と表現していたことが由来になっているとされます。
現在では、漢字で表記する際に「古」や「往」があてられることがあり、すでに過ぎ去った時間、それが古い時代であることを表す言葉になっています。
「とこしえ」と「いにしえ」の違い
「とこしえ」と「いにしえ」の違いを分かりやすく解説します。
これらは「しえ」が付く4文字のひらがな表記であるため、互いによく似ていて混同されることが少なくありません。
ただし、両者の意味ははっきりした違いがみられます。
「とこしえ」はずっと変わらないこと、永遠に続くことです。
「いにしえ」は過ぎ去った時間、遠い昔や古い時代を意味します。
前者は「永久」、後者は「古」「往」です。
漢字をあてるとニュアンスが分かりやすいでしょう。
前者は、過去も未来も含みますが、後者は過去だけを指しています。
「とこしえ」の例文
・『この美しい風景がとこしえに変わらないことを願う』
・『とこしえに続く命のリレー』
「いにしえ」の例文
・『発掘された土器を見て、いにしえの時代に思いをはせる』
・『いにしえの伝説について研究を進める』
まとめ
「とこしえ」と「いにしえ」は、意味を混同して使い間違いが起こりやすい言葉です。
それぞれの言葉の成り立ちや当てられる漢字を知ると、違いや使い方がわかりやすくなるでしょう。