この記事では、「牡蠣」と「ムール貝」の違いを分かりやすく説明していきます。
「牡蠣」とは?
「牡蠣」【かき】とは、世界中で食用されているカキ上科のイタボガキ科に属す二枚貝のことです。
英語では“oyster”(オイスター)といいます。
広義にはカキ上科に属す二枚貝を指しますが、日本では食用するために流通している「真牡蠣」【まがき】と「岩牡蠣」【いわがき】が一般に「牡蠣」と呼ばれています。
形や大きさは種類によっても異なりますが、ゴツゴツした殻の中に楕円形の身が入っており、身は磯の香りと甘み、旨みが濃厚です。
身は生食、ソテー、フライや鍋などで利用されるほか、貝殻はミネラルを豊富に含むため生薬や肥料などにも活用されています。
「ムール貝」とは?
「ムール貝」とは、ヨーロッパなどで食用されているイガイ科に属した二枚貝のことです。
ただし「ムール貝」という種類の貝はなく、イガイ科に属す種類の総称となります。
これらをフランス語でまとめて“moule”(ムール)と呼ぶことから、日本では「ムール貝」と呼ばれるようになっています。
平たい楕円形をした黒い貝殻とオレンジ色をした身が特徴で、イタリアやフランスをはじめヨーロッパで広く食用されています。
日本では「ムラサキイガイ」「イガイ」などの在来する種類が「ムール貝」にあたり、イタリアのパスタやスペインのパエリアの普及とともにその存在が知られるようになりました。
「牡蠣」と「ムール貝」の違い
「牡蠣」と「ムール貝」の違いを分かりやすく解説します。
これらは世界中で広く食用されている二枚貝です。
どちらも味が良く、さまざまな料理にして親しまれていますが、生物学上の分類や特徴が異なります。
「牡蠣」はカキ上科のイタボガイ科、「ムール貝」はイガイ科に属す二枚貝の総称です。
前者はごつごつした貝殻の中に楕円形をした身が入っており、グリコーゲンを多く含むので甘みや旨みが濃厚です。
後者は平たい楕円形の黒い貝殻の中にオレンジ色をした身が入っており、あっさりしてクセが少ないのが特徴です。
どちらの貝も幅広い料理に利用できますが、前者は生食やソテー、フライなど、後者はワイン蒸し、パスタ、パエリアなどが特に人気の高い調理法となっています。
まとめ
日本では「ムール貝」は日本の在来種でもあります。
食材としては「牡蠣」のほうがなじみ深いでしょう。
「牡蠣」と「ムール貝」では互いに種類が異なるため、外見や味の特徴には違いがみられます。