「肺循環」と「体循環」はいずれも「循環」が使われる言葉ですが、意味が異なるため区別して認識する必要があります。
この記事では、「肺循環」と「体循環」の違いを分かりやすく説明していきます。
「肺循環」とは?
「肺循環」は「はいじゅんかん」と読む言葉で、「血液循環のひとつ」を示し、「血液が心臓から肺を経由して心臓へ戻る循環」のことを意味します。
両生類以外の脊椎動物においてみられる血液循環で、「小循環」とも呼ばれます。
「体循環」とは?
「たいじゅんかん」と読む「体循環」は、「肺循環以外の血液循環及びその経路」を意味する言葉で、主に「血液が心臓から全身に至り、毛細血管を経由して再び心臓に戻る血液循環」のことを指します。
両生類以上の脊椎動物の体内でみられ、「大循環」と呼ばれることもあります。
「肺循環」と「体循環」の違い
「肺循環」も「体循環」も「血液の巡り」「血液循環」という意味を持つ点は共通していますが、次のような違いがあります。
「肺循環」は「血液が心臓から肺を経て心臓へ戻っていく循環」を意味し、人体の場合は「右心室を起点とし、肺動脈肺、肺静脈、左心房の順で巡る血液循環」を指します。
「肺循環」は二酸化炭素を排出して新しい酸素を取り込むことが目的でおこなわれており、肺での働きがメインとなります。
一方、「体循環」は「肺循環を除く血液循環及びその経路」「血液が心臓から全身を巡り、毛細血管を経由して再び心臓に戻る血液循環」を意味し、人体の場合は「左心室を起点として、大動脈、全身の組織や器官、上大静脈と下大静脈、右心房の順番で巡る血液循環」を示します。
「体循環」は、心臓を中心として酸素を全身の組織や器官に送り込むことが目的でおこなわれます。
なお、右心室から肺に送られる血液と、左心室から全身に送られる血液は心臓のポンプ機能によって同時に送られているため、「肺循環」および「体循環」は途切れなく同時におこなわれています。
まとめ
「肺循環」は「血液が心臓から肺を経由して心臓へ戻っていく血液循環」を示し、「体循環」は「血液が心臓から全身を巡り、毛細血管を経由して心臓に戻ってくる血液循環」を示します。
ぜひ健康や人体についての言葉を知る参考にしてください。