「閲覧」と「拝見」はどちらも見る行為を表す言葉ですが、どのような意味の違いがあるのでしょうか。
この記事では、「閲覧」と「拝見」の違いを分かりやすく説明していきます。
「閲覧」とは?
「閲覧」とは、「文書や資料を調べるために見て読むこと」を意味する言葉です。
重要な内容が書かれた資料や歴史的価値を持つ古文書など、情報として価値があるものをよく読み調べる目的で見ることを意味します。
ただ漫然と見るだけでなく学んだり楽しんだりなど明確な目的を持って見る行為に対して用いる表現です。
本来は読む行為に限定して用いる表現ですが、映画などの映像を資料として見る行為も「閲覧」と表現します。
「拝見」とは?
「拝見」とは、「見るの謙譲表現」です。
自分が見る行為を相手にへりくだって言う時に使います。
見る対象が自分よりも目上の場合に敬意を表現する言い方です。
「閲覧」と「拝見」の違い
「閲覧」と「拝見」の違いを、分かりやすく解説します。
「閲覧」と「拝見」の違いは「敬意」と「内容」です。
「閲覧」は丁寧な言い方ではあるものの特に敬意は含まれていないのに対し「拝見」は自分が低くへりくだることで相手を高め敬意を示す謙譲表現です。
表している行為の内容そのものにも違いがあり「閲覧」は調べたり学んだりといった明確な目的を持って見る行為を意味しますが「拝見」は「見る」の現状表現なので行為の目的や理由は関係ありません。
「閲覧」は図書館の本や博物館の資料などある程度一般向けに公開されているものを見る時に使う表現ですが「拝見」は目上の人や価値が高いものであればどんなものにでも使えます。
「閲覧」の例文
・『図書館で資料を閲覧する』
・『閉架書庫にある資料を閲覧するには手続きが必要だ』
「拝見」の例文
・『恩師の秘蔵の逸品を拝見する』
・『大先輩が出演する舞台を拝見する』
まとめ
「閲覧」と「拝見」はどちらも見ることを意味しますが込められている敬意や行為の内容によって区別できます。
似ているようで意味は全く違うので正しく区別してください。