昔の人は、自分のことに「誇り」を持つことを常に重んじて来ました。
それを「名誉」と理解したり、今で言う「プライド」として解釈することもできます。
しかし、これと似た言葉として、「矜持」という言葉もあることをご存知でしょうか? ここでは、この「矜持」と「誇り」について見ていくことにしたいと思います。
「矜持」の意味や使い方
「矜持」という言葉を知っている人は、かなり少なくなっているのではないかと思うのですが、「きょうじ」という読み方をする言葉です。
「自分の能力を信じて抱く誇り」のことで、簡単に表現すると、「プライド」のことを指しています。
昔の出来事をこの「矜持」で例文を作ると、「朝長にも将軍としての矜持があり、父子の関係は次第に悪化していくのだった」
このような文章で使われることになります。
朝長という人は、将軍としてのプライドがあったので、その実権を握り続けていた父親との関係が段々と悪くなっていくことを物語っています。
「誇り」の意味や使い方
「誇り」も「誇ること」や「自らそれを名誉とする感情」という意味で「プライド」のことを指しています。
「私は自分の仕事に誇りを持っています」 というような使い方をしています。
「矜持」と「誇り」の違い
「矜持」も「誇り」も言い換えると、「プライド」ということになります。
しかし、「矜持」は改まった場面で「職業や立場に基づいた誇り」というような重みのある意味で表現する時に使われます。
これと同じ意味の「誇り」より「矜持」の方が、さらに重みのある表現となっていますので、基本的な解釈は同じですが、使い分けが異なるという理解になります。
「矜持」を使った例文と意味を解釈
「金銭や名誉に誘惑されることなく、私は大学教授としての矜持を堅持したのです」
大学教授ともなると、色々な方面から誘惑が襲いかかってくるものです。
その悪魔のささやきに負けず、その職業の「矜持」を貫いたのです。
特に大学の教授には、様々な企業や団体が近寄って来る傾向が強いので、重々配慮しておくことが必要でしょう。
「誇り」を使った例文と意味を解釈
「私は、我が国・日本を誇りに思います。
この気持ちは誰にも負けてはいません」
今、日本国内の若者の間で、このような発言をできる人が、どれ程いるのでしょうか?
しかし、このような思いを持つ人は、意外にも、日本に帰化した元外国人かもしれません。
まとめ
「誇り」という言葉を耳にすると、自分の普段やっていることに対して、「誇りを持つ」という意識がどれ程あるのか考えたくなってくるかもしれません。
それだけ「誇り」=「プライド」は、人が正しく立派に活動できるための原動力になるはずです。
この「誇り」をさらに重たく表現したい時に、「矜持」を使うことで、その言葉がさらに強調されていくことになるでしょう。