この記事では、「得度」と「出家」の違いを分かりやすく説明していきます。
「得度」とは?
「得度」には2つの意味があります。
一つは、苦しみの絶えないこの世を渡って涅槃の彼岸に至ることです。
もう一つの意味は、正式な作法を通して、僧侶をしてふさわしい姿になり、悟りを求めて仏道の修行に入ることです。
仏道に入って修行をするためには、そのための儀式を受けなければなりません。
その儀式を「得度式」といいます。
この儀式では、師匠となるものから髪を剃り落としてもらい、僧侶が生きていくために最低限必要とされる、衣・袈裟・坐具・応量器などをいただきます。
衣や袈裟は身につけるものです。
坐具とは、座るときに下に敷くものです。
応量器は食事をする際に使用する器類です。
5つからなっており、入れ子状になっています。
そして、戒律をさずかって修行をはじめます。
「得度」の使い方
2つの意味がありますが、仏道に入って修行する身になるという意味で使用されることが多いです。
日常的に一般の人が使うことは少なく、仏道に入ろうと考えている人や、仏教にかかわる人が主に使用しています。
「出家」とは?
一般の人々が暮らしている世界を捨てて、僧侶となって仏道の修行をすることです。
しかし、必ずしも一般の人々が暮らしている世界との接触がないわけではありません。
近年は、修行をしている僧侶とともに、一般の人が修行できる寺がでてくるようになりました。
1日から2日など短い日数、寺で一般の人を受け入れて、修行を体験させるのです。
「出家」をするためには、まず申し出をしなければなりません。
修行をしたい寺を探し、その住職に申し出をすします。
申し出をすればすぐに受け入れてもらえるわけではなく、住職と面談をして、受け入れるかが決められます。
受け入れると判断された場合には、僧侶となる儀式を行い、修行に入ります。
僧侶になると決めていた人でも、いざ修行をするとそのつらさに耐えることができず、すぐにやめてしまうことがあります。
そのため、修業期間が設けられており、この期間を経て住職に認められれば「出家」となります。
「出家」の使い方
一般の人々が暮らす世界を離れて僧侶として仏道の修行をすることを指して使用します。
一般の人が日常的に使う言葉ではありません。
仏道の修行をしようと考えている人や、仏道の修行をしている人が主に使う言葉です。
「得度」と「出家」の違い
世俗から離れて仏道の修行をすることを「出家」といいます。
修行に入るときに行う儀式を「得度」または「得度式」といいます。
「得度」は僧侶になること、「出家」は僧侶になって修行することです。
「得度」の例文
・『○○寺で得度をしました』
・『得度をしたのは10年前です』
「出家」の例文
・『出家を考えています』
・『家族に出家をとめられた』
まとめ
どちらも仏教に関係する言葉です。
仏道の修行にかかわる言葉になります。