戦術の進歩が著しい近代サッカーではそれぞれのポジションに求められる役割によって異なる名称が使われます。
ディフェンダーのポジションには「リベロ」と「スイーパー」がありますが具体的にはどのように役割が異なるのでしょうか。
今回は、サッカーのポジション「リベロ」と「スイーパー」の違いについて解説します。
「リベロ」とは?
サッカーのポジション「リベロ」とは守備陣としてプレーするディフェンダーポジションの一種で、守備をメインにこなしながらも前線に積極的に参加しゲームの組み立てから攻撃にまで関わるスタイルを指します。
リベロのもともとの意味は「自由」です。
その名の通り従来のような守備専門というディフェンダーの概念にとらわれず自由にプレーするのがリベロの特徴です。
昔のサッカーではフォワードは前線に張り付き攻撃に専念しディフェンダーは自陣で守備のみをこなすという分業が常識でした。
そのような固定観念を破ったのが皇帝と讃えられた西ドイツの名選手「ベッケンバウアー」です。
ベッケンバウアーはそれまでの常識を破りディフェンダーでありながら前線のプレーにも積極的に参加し当時の西ドイツ躍進の原動力となりました。
ディフェンダーは守備をする人という固定観念を破りフィールドを自由にプレーする姿から彼のようなプレースタイルを「リベロ」と呼ぶようになりました。
現在では「リベロ」といえば前線に積極的にあがる攻撃姿勢の強いディフェンダーを意味します。
基本的にはセンターバックの選手を指し最後列もしくはその一枚前に位置するプレーヤーのみに使われます。
「リベロ」の使い方
・リベロに積極的に攻撃参加させる戦術を採用する。
・リベロの活躍が勝利の鍵だ。
・状況判断が甘いようではリベロはこなせない。
・最近はリベロと呼ばれるプレーヤーが少なくなった。
「スイーパー」とは?
サッカーのポジション「スイーパー」とは守備陣の最後列でプレーするディフェンダーポジションの一種です。
スイーパーとは英語で「掃除人」という意味で、自陣ゴールに近づいたボールや敵プレーヤーをピンチになる前に素早く掃除することからその名称が付けられました。
スイーパーの役割を一言で言えば「最後の砦」です。
ゴールキーパーを覗くとスイーパーはゲーム中ゴールの前に立ちはだかる最後の砦となるプレーヤーです。
スイーパーが抜かれるとゴール前にはキーバーだけという状況になり決定的なピンチを迎えてしまいます。
スイーパーは失点を守る最後の砦としてピンチを刈り取るポジションです。
スイーパーは基本的に守備に専念するポジションであり攻撃参加を積極的に求められることはありません。
前線につなぐことはありますが基本的にはピンチを潰すこと、自陣からボールを遠ざけることのほうが重要視されます。
「スイーパー」の使い方
・スイーパーをかわしてチャンスになる。
・あのスイーパーにしてやられた。
・スイーパーが安定しているチームは強い。
・スイーパーが不用意に上がるとピンチを招く。
「リベロ」と「スイーパー」の違い
「リベロ」と「スイーパー」の違いは攻撃参加の姿勢です。
リベロは攻撃に積極的に参加し中盤から場合によっては前線まで上がります。
スイーパーはチームの最終ラインとしてゲーム中はほぼ自陣でプレーします。
まとめ
「リベロ」と「スイーパー」は同じ位置でもまったくプレースタイルが異なります。
戦術にどんな違いが出るのか考えながら観戦するとサッカーをより奥深く楽しめます。