恨む、というのは物語の中でよく描かれる人間心理の一つです。
人を恨む気持ちには「逆恨み」と「恨み」の2つがあります。
この2つは一体どのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「逆恨み」と「恨み」の違いについて解説します。
「逆恨み」とは?
「逆恨み」とは人を憎む気持ちの一種で「自分に落ち度があるのにそのことを棚に上げ筋違いな人に恨みの気持ちを持つこと」「本来なら恨まれる立場にある人物が逆に相手を恨むこと」を意味します。
逆恨みの「逆」とは文字通り逆にという意味であり恨みの気持ちが逆方向に働いていることを表します。
本来であればAからBに対して恨みを持つ状況でありながら恨まれるはずの立場であるBが誤解や高慢などの理由により理不尽にもAに対して恨みを持つようなケースが逆恨みに当てはまります。
逆恨みには「行為や善意を曲解して恨みを持つ」という意味もあります。
かつてバカにしていた相手から親切にされたことに対し「恥をかかされた」といったような理不尽な理由で恨みを持つ要な場合を逆恨みと表現します。
逆恨みは非常に理不尽な行動であり多くの場合周囲からの理解は得られません。
「逆恨み」の使い方
・善意で寄付してくれたのに金額が少ないと不満を持つのは逆恨みだ。
・逆恨みで被害にあうなんて信じられない。
・優しさに対して逆恨みで返すのは人としてどうかと思う。
・交通違反切符を切られて警察官を逆恨みする。
「恨み」とは?
「恨み」とは仕打ちに対して憎しみ不満を抱くこと、またそのような感情そのものを指す言葉です。
恨みには人や物に対する執着的、変質的な強い負の感情がこめられています。
一般的恨みは非常に長く持続する感情であり瞬間的に憎く思うことを恨みとは表現しません。
恨みはある程度の期間継続する粘着質な感情であり、その持続性こそが恨みの大きな特徴です。
強い恨みは負の行動の強い原動力となります。
暴力や殺人などの理由として恨みの感情は最も一般的なものであり金銭、痴情のもつれと並んで犯罪の三大動機とされています。
恨みはあまり好ましいものとされておらずそのような気持ちを抱くこと事態も忌避されます。
状況によっては恨みに思うのも当然というケースもありますが恨みを抱え続けることは良しとはされず努力により解消すべきものと見られています。
「恨み」の使い方
・父の仇に対し恨みの気持ちを強く抱く。
・あの時お金を貸してくれなかったことを今でも恨みに思う。
・ここで会ったが百年目、今こそ恨みを晴らす。
・この恨み、晴らさで置くべきか。
「逆恨み」と「恨み」の違い
「逆恨み」は感情そのものは恨みと同じですが向けられる方向性が本来あるべきものとは真逆になっているものを指します。
状況としては「恨みに思っても良い人から恨まれている」ことになります。
「恨み」の場合は「恨みに思っても良い人を恨む」状況です。
「逆恨み」は不当な感情でありほぼすべてが理不尽で理解できないものですが「恨み」は社会的、法的な倫理は別として内容次第では同情できることもあります。
まとめ
「逆恨み」と「恨み」は正反対の意味を持つ言葉です。
使い方を間違えてしまうと相手に全く異なる意味で伝わってしまうので正しい使い方を意識し使い分けてください。